前回に引き続き、ハーバード大学へ進学した日本人学生に迫ります!
前編記事はこちらから!
みなさんこんにちは、ポケット予備校です!「ハーバード大学に進学した日本人」そう聞いたら、みなさんはどんなイメージを持ちますか?今回ポケット予備校は、アメリカ・ハーバード大学に合格し入学したひとりの日本人学生にインタビ[…]
【柳津聡】2000年生まれ。現役で東大とハーバード大学、そのほか複数のアメリカ名門大学に合格。東大に数ヶ月在籍した後、ハーバード大学に進学。大学では相関社会科学を専攻している。
〈聞き手・文=大塚(ポケット予備校 編集長)/ 撮影=上野〉
ハーバード大学での大学生活
社会思想の授業は取る必要があるのですが、それ以外には経済や歴史、政治など文系のいろいろな授業をとって良い、という学部です。
他には、正義論という本を書いたジョン・ロールズという政治哲学家がいるんですが、その人の本だけを読む、といった授業もありました。
今学期はリーディングの量がヘビーな授業が多かったですね。
授業でそれくらい読むんですね?
すごくちゃんと読んでも授業に参加できなかったら意味ないので、どちらかっていうとそっちを目的に、上手く賢く読む読み方を身につけるためにそもそもそんなにたくさん課題として出されているんだと思います。
このインタビューを動画で見る
今学期でいうと、外交研究部のようなものがあるんです。そこではメンバーがチームに分かれて、パートナーとして協力している他国やアメリカの政府機関があるのでそこにリサーチのお題をもらって、みんなで調べてレポートにして彼らにプレゼンする、という活動なんですが、そのプロジェクトの1つの責任者をやっていました。
他のハーバードの学生でも、寝ない人はけっこう寝ないですね。でもそれが、俺は今日これだけしか寝てない自慢、みたいになってくるんですよ。
良くないよって話なんですけど笑
アメリカの大学を目指す高校生へ入試対策のアドバイス
前回、柳津さんはアメリカの入試で重要な要素として次の7つの項目を挙げました。
- 学校の成績
- 学校の先生の推薦状
- テストスコア
- 課外活動歴
- 受賞歴
- エッセイ
- 面接
うち、最初の6つは書類審査の項目です。
推薦状をお願いするときも、単に「推薦状を書いてください」じゃなくて、アメリカの入試制度を説明しつつ、こういう部分を打ち出したいので、こういうエピソードを書いてもらっていいですか、というように具体的にお願いできればなお良いかなと思います。
基本的に、書類審査の6つ項目でそれぞれ違う側面を出すことで全体的な自分のカラーを見せれるかなという感じです。
よく、「何やれば良いですか?やっぱりディベートとか科学オリンピックとかが必要ですか?」と聞かれるんですが、それは必要条件ではないので、自分のやりたい学問分野に関わりがあることで自分が楽しいと思えることをやることが大事かなと思います。そうでないとけっきょく結果も出ないと思うので。
これは志望動機書というよりは、自分の人生の中で影響があった出来事や人をピックアップしてそれについてエッセイを書いて、自分はこういう人間なんだということをアピールします。
例えば、自分は共感をとても重んじる人間だ、とか、コンフォート・ゾーンを出て新しいことにチャレンジできる人間なんだ、といったようにテーマを決めて、それを単に”Tell”するんじゃなくて”Show”する、描写するんですね。
これはけっこう難しくて、僕は高3の後半は全てこれに費やされたようなものなので、受験を本格的にしたいと思ったら書き方などをリサーチすると良いと思います。インターネット上にもエッセイの例などがあるので。
日本の大学という選択肢しか知らないからとりあえず日本の大学に行こう、ではなくて、理由があって自分の行きたい大学へ行くという積極的な姿勢になれば、どこの大学に行くにしても良いと思います。
僕は手汗がひどくて、人と握手するのがイヤだったんです。でも中国にイベントで短期留学に行ったときに、みんなと握手して自己紹介して友達になろう、みたいな企画があったときに「きついな〜無理だな〜」と思って端っこで縮こまっていたかったんですけど、そこで頑張って心の殻を開いて友達になり始めたことで自分の中の何かが変わった、というエピソードを挙げました。
それ自体で以降の人生を全て変えたというものではないんですけど、心の葛藤を象徴する良い1つのシーンとして書きました。自分なりに自分を表現できたなと思えたら後悔ないんじゃないかなと思います。
僕自身は中学から英語を始めた身なので、中学から英語を始めた人でも遅すぎることはないのですが、例えば自分の好きなジャンルのニュースや記事や論文を読んで英語を吸収してボキャブラリーなどをつけていきましょう。
テストとしてはまず初めはTOEFLや英検などの学問検定の試験をベンチマークにしつつ、高校生になったら試験勉強も早めに取り組んで問題集などを反復するといいと思います。そこは日本の入試と姿勢としては基本的に同じかなと思います。
内容も、日本の就職面接やAO入試のようなかしこまったものではなくて、スタバみたいなカフェに呼ばれてコーヒーもらって、高校ではどういうことを勉強しているの?とか、何でうちの大学に来たいの?みたいな感じで進んでいきます。
面接官が僕に質問するだけではなくて、大学に関して聞きたいことありませんか、みたいな感じで僕から面接官に質問する機会もあります。面接官は大学のOBなので。
あらかじめ定型の答え方を用意するのではなくて、雑談のような会話を長くする中で自分の知的な面を見せれたらいいかな、という感じです。僕は7時間面接しました。
「日本の観光についてどう思う?」みたいなことも聞かれて。OBの方が京都に住んでる人だったからなんですけど、そういう感じでした。
海外大学を目指す高校生に応援メッセージ
大塚:それでは最後に、海外の大学を目指したい高校生に応援のメッセージをお願いします。
柳津:はい。今はコロナ禍で難しい状況だとは思いますが、まずはインターネットや本といったメディアを通じて海外の情報に触れてみることが大事だと思います。
その中で興味のある国や分野が出てきて、実際に海外の大学・大学院に行けたり、就職といった形で実際に海外と直接の関係を持てればそれはすごくいいことです。
そうでなかったとしても、海外の情報に触れることで日本を外の視点から見ることができて、今まで気付いていなかったような日本の良い面や悪い面にスポットライトが当たればそれもそれでいいんじゃないかなと思います。
実際に海外の大学を受験したいとなれば、1番ネックになる場合が多いのが語学力だと思うので、英語に関しては学校の授業だったり自学自習を通じて早め早めに身に付けておくのが良いと思います。日本の受験でもすごく役に立ちますし、自分の強みになるんじゃないかなと思います。
それでは、ぜひ頑張ってください!
終わりに代えて
編集者は柳津さんとは大学1年生からの付き合いで終始打ち解けてインタビューを進めましたが、世界最高峰の学生であることを微塵も威張ることなくたくさんの話を聞かせてくれました。
東大生がテストだけで測られるのに対して、総合的な優秀さでハーバードに認められた柳津さんは一枚も二枚も上手に感じました。
人間的にも素晴らしい柳津さんが、これから世界でどのように活躍していく人になるのか、楽しみにしたいと思います!
ようこそ、ポケット予備校へ、編集長のジョンです!東大の文系の3年生で、他の東大生メンバーとこのWEBサイトを運営しています!
このサイトの記事はどんな人が書いているのかな、どんな理念で運営しているのかな、と思った人は、ぜひ、下にある「ポケット予備校について」から確認してください!