文明と国家の生まれ (世界史・第2回)

みなさんこんにちは  ポケット予備校です

今回は、文明がどうやってできたのか、国家がどうやってできたのか、を、簡単に授業していこうと思います。

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今回の大きな流れ

今回の大きな流れはこのようになっています。

農耕が始まったのが全ての始まりです。

これにより食料生産が安定して、食料は余るようになりました。

これにより、人口は増え、また、いろいろな職業や階級の人が生まれることとなりました。

このなかから指導者が生まれ、共同体は大きくなり、国家や文明が生まれることになるんです。

それでは、その流れをくわしく見ていきましょう。

全てのきっかけ = 農耕の始まり

文明が誕生するきっかけとなったのは農耕が始まったことです

もともと人類は狩猟・採集という生活スタイルで生きていました。動物を狩ったり、落ちてる木の実を拾ったりしていきいました。しかし、こういう生活では、食料が安定していません。

「次の狩りで獲物が取れなかったら食料がなくなってしまう・・・」

といったように、いつも食料を追い求めていないと、飢え死にしてしまうわけです。このような生活スタイルでは、人々は食料のことに常に考えていたわけです。

しかし、紀元前5000年から紀元前4000年ごろ、メソポタミアで農耕、とくに灌漑(かんがい)農業が始まりました

灌漑農業とは、農作物を育てるのに欠かせない水を、人工的に供給することです。

例えば、川や湖から、水路を作って水を引き、畑や田んぼに供給する、という農業スタイルのことです。

え、普通そうじゃないの?と思った人もいるかもしれません。しかし、初期の農業は、水を、雨だけに頼っていたのです。なので、雨があまり降らないような年だと、ほとんど収穫できない、という状態だったのです。このような農業は、まだ不安定でした。

しかし、これを灌漑農業にすることで、水が安定して手に入るので、農業も安定してできるようになりました。これに加えて牧畜も行ったことで、人類は安定して食料を手に入れることができるようになりました。

これが、文明が始まる第1歩になるのです!

実は、人類は何百万年という長い期間、ずっと狩猟・採集の生活スタイルで生きてきました。その不安定な暮らしから、農耕(&牧畜)の生活スタイルを始めたことで、人類は初めて、食料が安定して手に入るようになったのです

これは人類史の中でも大きな意味を持つ事件として、食糧生産革命、なんて名前がつくくらい、大きな出来事だったんです。

そして、この大きな生活スタイルの転換が、文明の誕生につながるんです。

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文明・国家の始まり

さて、食料が安定して手に入るようになったとはいえ、たまに不作になったり、天気が悪かったりでうまく収穫できない、なんてこともあり得ますよね。なので、人々は食料を余分に作るようになりました。

また田んぼや畑を広げて、よりたくさん食料を生産するようになりました。

この結果、食料はますます増え、人口が増えていきました。

また、農作物は貯蔵することができます。今月食べきれなかったお米や小麦は、倉庫に入れて貯蔵しておけばいいのです。

こうして、食料生産が増えてしかも貯蔵できるので、食料が余るようにもなってきました。これを余剰生産物と言います。ようは余った食料のことですね。

こうして余剰生産物が生まれてくると、2つの出来事が起こります

それがこちらです。

  1. 食料を作らなくてもいい人が生まれる
  2. 階級が生まれる
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1つ目は、食料を作らなくてもいい人、が生まれることです。

狩猟・採集の生活スタイルだと、全員が食料のために行動しないといけません。常に食料が足りなくなる心配があるので、みんなでできるだけたくさん食べ物を手に入れようとするわけです。

しかし、農耕・牧畜の生活スタイルでは、食料が余ってきています。そうすると、別に全員が田んぼでお米や小麦を作らなくても、食べ物に困らない、ということになります。なので、農作業ではないことで生活する人も生まれてきます。

例えば、商人や職人などです。それから神官や戦士などもそうですね。こういう人は、お米や小麦を作るわけではないですよね。それでも、食べるものには困らない、というわけです。

このように、食料を作らなくてもいい人=いろんな職業・役割の人が生まれる、ということが起こります。

2つ目は、階級が生まれることです。

農耕社会では、豊作になりますように、とか、自然災害から守られますように、といった人々の願いを受けて、神々に祈ったり、祀ったりする神官という役割の人が生まれてきます。神官は神々と向き合い交流する、ということで、特別な地位になり、人々に畏怖される存在になります。

また、食料があると、近くの集落や共同体から狙われやすくなります。こうして、共同体を守る戦士という役割も生まれてきました。こちらも、村を守る存在として、人々を指導する立場になりました。

他にも、川から水を引く、という重要で大規模な作業を指導する人などもいますね。

このように、次第に指導者・支配者のような存在が生まれてきま。こうした人々は、余った食料を管理したり、他の人を働かせたりして、富を貯めていくようになります。

こうして、貧富の格差が生まれたり、役割ごとに階級が生まれたりして、共同体の中で社会階級が生まれる、指導者が生まれる、ということが起こります。

さあ、なんとなく見えてきましたか?

そうです!

このように、人口が増えて、いろんな職業・役割の人が生まれて社会が複雑になって、社会階級が生まれて指導者が生まれる、という中で、だんだん集落や共同体は大きくなり、都市になり、さらには国家になる、ということになるのです!

こうして、文明・国家が誕生するんですね! この流れ、つかめましたか?

まとめ

さて、今回の内容を振り返ると、このような形です。

農耕が始まったのが全てのきっかけでしたね。そこから食料が余るようになって、いろんな役割の人が生まれて、次第に指導者も生まれて階級ができ、共同体が大きくなって国家になったのですね。

これから、いろんな地域・文明を古代から勉強していきますがその昔にはこういう出来事があって文明や国家が生まれているのです。

それでは、さっそく次からは、各文明を見ていきましょう。まずは、人類最初の文明が生まれた、メソポタミアから、見ていきましょう!

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