共通テスト【古文】の傾向は?対策法を現役東大生が徹底解説!

みなさんこんにちは 、ポケット予備校です!

この記事では、現役東大生の私が、共通テスト「古文」の傾向、そして対策方法について解説します。

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(参考)「共通テスト」の「国語」

まず国語全体の解説をします。古文についての内容を読みたい人は次の見出しから読んでください!

2020年を最後に「大学入試センター試験」(以下「センター試験」)は廃止され、2021年からは「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)へと移行します。受験生の皆さんは、この移行によって受験勉強のあり方がどのように変わっていくのかについて不安に思っていることでしょう。

文部省による入試改革は迷走しています。そもそも、センター試験時代には国語は全4問でした。構成は

第一問:現代文(評論文)、50点満点

第二問:現代文(小説)、50点満点

第三問:古文、50点満点

第四問:漢文、50点満点

です。計200点満点で、試験時間は80分でした。設問は全てマーク式(選択肢問題)です。

しかし、新しく導入される「共通テスト」では、単なる知識だけでなく、学生の思考力や表現力、主体性を評価するという目的のもと、様々な変化が「センター試験」から加えられています。以下が旧版の「共通テスト」の構成です。

第一問:現代文(評論文)、記述式

第二問:現代文(評論文)、マーク式、50点満点

第三問:現代文(小説)、マーク式、50点満点

第四問:古文、マーク式、50点満点

第五問:漢文、マーク式、50点満点

この「共通テスト(旧版)」の目玉はなんと言っても第一問の記述式問題でしょう。第一問では配点は設定せず5段階程度の段階別評価として、どのように選抜に使うかは各大学に委ねるとされました。

この記述式問題を導入する理由として、文部科学省は以下のようなメッセージを発表しています。

記述式問題の導入により、解答を選択肢の中から選ぶだけではなく、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価することができます。

また、共通テストに記述式問題を導入することにより、高等学校に対し、「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業改善を促していく大きなメッセージとなります。大学においても、思考力・判断力・表現力を前提とした質の高い教育が期待されます。

文部科学省

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記述式問題導入を通して、主体性や思考力、表現力をより重視して欲しい、という文科省の狙いが見えます。

しかし、記述式問題の採点基準の採点者によってのブレや質の高い採点者の確保の困難さなどの問題があり、結局2020年度からの記述問題導入は見送られることになりました(僕も、共通テストでの記述式問題の設置は困難だという意見です)。

確定版の「共通テスト」の大問別構成を改めて表にするとこのようになります。

第一問現代文(評論文)、マーク式、50点満点
第二問現代文(小説文)、マーク式、50点満点
第三問古文、マーク式、50点満点
第四問漢文、マーク式、50点満点

はい、というわけで新しい「共通テスト」の大問別構成は、「センター試験」とほとんど変わりません

それでも、小問ごとの出題形式の傾向を見ていくと、「センター試験」とは少し異なる出題の仕方をすることがあります。

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古文の出題傾向

ここからは、新しい「共通テスト」での古文の問題の出題傾向について色々と見ていこうと思います。

とはいえ、「共通テスト」は過去一度も行われていない(来年から実施)ので、詳細な出題傾向はまだわかっていません。

そこで活用するのが、過去平成29年と平成30年度の2度にわたって行われた「共通テスト試行調査(プレテスト)」です(以下「試行調査」と呼びます)。これは、全国の高校生に試行調査の問題を解いてもらうことで全国的なデータを収集・分析し、共通テストの問題作成の方針を定めるために行われたテストです。

このテストの出題傾向は、「共通テスト」の問題の出題傾向と大枠で同じだと考えることができるでしょう。ということで、以下では過去二回の試行調査の出題傾向を見ていきます。

平成29年度試行調査

センター試験の出題形式とは大きく異なっています。【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】【文章Ⅲ】が与えられ、その中に傍線が引かれ設問でその内容について問われます。【文章Ⅰ】と【文章Ⅱ】は、同じ紫式部の『源氏物語』の一節を、それぞれ藤原定家と源光行・親行親子という異なる人物が整え直した文章です。【文章Ⅲ】は源光行の本の一節で、【文章Ⅱ】のように本文を整えたときの逸話を記しています。

【文章Ⅰ】と【文章Ⅱ】は同じ『源氏物語』の箇所を写しているので基本的には同じような文書ですが、詳しく見てみるといくつかの箇所で2つの文章の間にはいくつかの違いがあります。

なぜ同じ『源氏物語』なのに違いが出るのでしょうか。平安時代にはコピー機や印刷機はありませんから本の大量生産などできません。ですから、平安時代の人が本を複製するときは原本を手作業で書き写すことになります。その際、書き写す人の考え方に相違があると、元の文章は同じでも書き写した後の文章に違いが出るのです。

古典の同じ文章の箇所の違いを取り上げるのは、センター試験では見られなかった傾向です。とても興味深いですね。

また、センター試験の古文の第一問では、単語または短い文章に傍線を引いてその箇所の意味を選ばせる問題が出題されていましたが、この年の試行調査では出題されていません。

とはいえ、基本的な古文の知識が要求されるという前提は「センター試験」から変わりません。基本的な古文単語の意味、動詞・助動詞などの活用の仕方、敬語の種類とその特徴を理解できていないと文章の意味を理解して読解を進めることはできないでしょうし、設問中の選択肢の罠に引っかかって失点してしまうこともあるでしょう。

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平成30年度試行調査

平成29年度の実験的な出題形式とは打って変わって、30年度の出題傾向は基本的に「センター試験」の時とほとんど変化していません。

題材は『源氏物語』「手習」の一節で、本文中に傍線が引かれ、各設問でその内容について問うという形式になっています。単語・短文の意味を選択肢で問う設問も復活しており、基本的にはセンター試験の傾向とほとんど変わりません。

ただ、その中でとりわけ異色を放つのが問5です。二重傍線部が本文に引かれ、その解釈について生徒と教師が話し合いを行います。そして、その中の生徒A〜生徒Fの発言について適当なものを二つ選ぶ、という設問です。

この「話し合い・討論」系の選択肢問題は、古文に限らず現代文や地理など、様々な科目の試行調査でも登場しています。「共通テスト」を所管する文部科学省は、今回の一連の入試改革で「思考力」や「主体性」をより重視しするとしており、その一環で「共通テスト」にも「生徒間の討論」の形式をとった問題が出現すると考えられます

ただし、先ほど述べたように、問題の見た目に惑わされる必要はありません。あくまで必要なのは基礎的な古文の知識で、それを駆使すれば本問のような一風変わった問にも簡単に対応できるでしょう。

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「共通テスト」古文の対策方法

以上のように、「共通テスト」古文は、「センター試験」時代とは若干見た目の傾向が変わっているところはあるものの、本質的に要求される能力はほとんど変わっていません。つまり、これまでの古文の対策方法でも「共通テスト」に十分対応できると僕は考えています。

記事「【古文】1からでも実力を伸ばせる古文の勉強法を東大生が徹底解説」では古文の勉強方法について私が詳しく解説しています。是非ご覧ください。

(リンク)

さて、ここでは改めて基礎的な古文の学習方法について確認しながら、「共通テスト」への対応方法について説明します。

基本事項の暗記(文法)

古文で最初に抑えるべきなのはなんといっても文法です。古文は今の日本語とは 大きく異なる、いわば外国語です。その外国語を知るためには、まず文法を理解する必要があるのは明白ですよね。

動詞や形容詞がどのように活用するのか、助動詞や助詞が他の単語とどのように接続するのか、などは古文文法の中でも特に重要です。

「そんなに厳密に文法を勉強しないとダメなの?」

「ざっくり文章の意味が分かればよくないの?」

と思われる方もいるかもしれません。しかし、文法をしっかり押さえないと、文章読解で読みがぶれる原因になることもあります

簡単な例を見ましょう。皆さんは①「あらぬ」と②「ありぬ」の違いを文法的に説明できるでしょうか。

まず、ラ行変格活用の動詞「あり」が「あら・あり・あり・ある・あれ・あれ」と活用することを思い出しましょう。「あら」はラ行変格活用の動詞「あり」の未然形、「あり」はラ行変格活用の動詞「あり」の連用形または終止形ですね。

すると①「あらぬ」の「ぬ」は未然形に接続する助動詞、つまり打消の助動詞「ず」の連体形です。

一方②「ありぬ」の「ぬ」は連用形に接続する助動詞、つまり完了の助動詞「ぬ」の終止形です。以上から、 ①「あらぬ」は「ない」、②「ありぬ」は「あった」という意の語だとわかります。一文字変わっただけでこんなにも文章の意味が変わってしまうのですね。

以上の例は古文では典型的なもので、文法をきっちりと抑えている人にとってはわかって当たり前ですが、漠然と文法を勉強してきた人にとっては難しいようです。

文法は、古文の読解力をも左右するので、軽視してはならないのです。「共通テスト」の試行調査でも、選択肢中に「係結び」などの文法知識を問うような箇所が見られました。文法知識については万全の準備をするようにしましょう。

基本事項の暗記(古文単語)

文法の次に抑えるべきものは古文単語でしょう。基本的には古文単語帳を用いて古文単語を暗記することになります。様々な古文単語帳が発売されているので、自分の性に合ったものを使って頂いて構いません。

ただし、個人的には例文が充実した単語集を勧めます。私は文章の中で単語を理解して単語を暗記していく勉強スタイルだったので…。

ここで、単語暗記に際して注意すべき単語について説明したいと思います。

それは、古文と現在の日本語とで意味が違う単語、いわゆる「古今異義語」です。

例えば、「おこたる」という言葉が古文にはあります。現在では「おこたる」は 「怠ける、サボる」といった意味で理解されますが、古文で出てくる「おこたる」の第一義は「(病気が)治る」という意味です。

同じように、古文の「やがて」は「すぐに」という意味、「ののしる」は「大声で騒ぐ」という意味になります。

このような古今異義語を現代語と同じように訳してしまうと、とんでもない誤訳をしたり文章の読みがブレる原因になってしまうので、古今異義語には注意する必要があります。

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基本事項の暗記(敬語)

次に、敬語です。尊敬語、謙譲語、丁寧語にどのようなものがあるかざっと把握しておきましょう。

尊敬語」は、動作の主体に対する敬意を表したり、高貴な人への敬意を示す敬語です。

例:(光源氏は)さすがに置きがたう見たまふものから、(源氏物語・葵)

この例文では、「見る」という動作を行う主体である光源氏に敬意を示すため、「見」という動詞の後ろに「たまふ」という補助動詞をつけています。

謙譲語」は、自らの存在や動作を下に見做すことで、高貴な人の存在や動作の受け手の存在に敬意を示す敬語です。

例:俊寛僧都、(平判官に)「さてそれをばいかが仕らむずる」と申されければ、(平家物語)

この例文では、「言う」という動作の受け手である平判官に敬意を示すために、「言ふ」の謙譲語である「申す」を使っています。

丁寧語」は、文章の聞き手や発言の聞き手に敬意を示す敬語です。

例:簾を引き上げて、「いとおもしろきかは虫こそさぶらへ」と(童が姫君に) いへば、(堤中納言物語・虫めづる姫君)

この例文では、発言の主である童が発言の聞き手である姫君に敬意を示すために、「あり」の丁寧語である「さぶらふ」を使っています。

実は、敬語を理解しておくことで文章読解にとても役立つことがあります。例をあげましょう。

例:例に変われり、など道々の人々も奏し申し侍りき。(源家長日記)

さて、上の例文の「奏し」は「言ふ」の尊敬語の「奏す」です。では、この「奏し」は誰への敬意を表しているでしょうか。もちろん、前後の文脈を注意深く読んで「言ふ」という動作の受け手がわかれば、その人物が経緯の対象ということになります。しかし、前後の文脈が分からなくても、敬語をしっかりと勉強している人は敬意の対象がわかるのです。

実は、「奏す」という尊敬語は、敬意の対象が天皇もしくは上皇である場合にのみ使われるものなのです。同じく「言ふ」の尊敬語である「のたまふ」が幅広く高貴な人物に対して用いられるのとは好対照です。

このように、敬意の対象となる人物が限定される敬語を「絶対敬語」と言います。絶対敬語には他にも、「言ふ」の尊敬語であり、中宮や皇太子に対してのみ使うことができる「啓す」があります。

敬語は、古文の学習における重要論点の一つです。敬語が出現したときに、その敬語が誰から誰への敬意を表したものであるか分からなければ、文章の読みがブレる原因にもなりかねません。逆に敬語をきちんと学習していれば、文章の場面把握にも役立つことが多々あるので、敬語の学習は怠らないようにしましょう。

センター試験の過去問を活用する

何度も述べているように、「共通テスト」は「センター試験」とほとんど本質が変わりません。まだ一度も「共通テスト」が行われていない以上、「センター試験」の過去問を解くのが一番の「共通テスト」対策といえるでしょう。

過去二回行われている「共通テスト試行調査」も、「共通テスト」の形式的な傾向を掴む上では有効でしょう。一度目を通しておきましょう。

各予備校の「共通テスト」模試を受験する

「共通テスト」導入を受け、有力予備校の各社が「共通テスト」型の模試を実施しています。まとめると次の通りです。

  • 駿台系「駿台共通テスト模試」「駿台プレ共通模試」「駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試」
  • 河合塾系「全統共通テスト模試」「全統プレ共通テスト」
  • 東進系「共通テスト本番レベル模試」「全国統一高校生テスト」
  • 代ゼミ系「大学入学共通テスト入試プレ」

これらの模試は、新しい「共通テスト」の出題形式に準拠した問題を出題しています。ですから、どうしても「共通テスト」の問題形式に慣れておきたい、という人は受験すると良いでしょう。

ただし、これらの模試を全て受験する必要はもちろんありません。まだ十分な力がついていないのに模試を受けすぎるのはかえって逆効果です。必要最低限回だけ受験して出題傾向・形式を捉えるにとどめ、基本的な地理の学習をメインに勉強することを心がけましょう。

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まとめ

この記事では、以下のようなことを述べてきました。

  • 「共通テスト」は、根本的には「センター試験」と変わらない
  • 「共通テスト」は、基礎的な文法・単語の知識と読解力があれば攻略できる

この記事を参考にして、共通テストの対策を行っていきましょう!

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