私の東大合格体験記「王道の受験」後編

受験の王道

「全ての道を極めるのに王道があるように受験にも王道がある。王道の受験勉強しよう。」これは私が高校生に上がって東大を目指そうと漠然と決めた時に恩師から言われた言葉です。

王道の受験」。この言葉を聞いただけだと胡散臭いなと思う人が多いと思います。しかし、受験の現状を考えた時に皆さんには是非一度考えていただきたいことです。

受験は次から次に勉強が降りかかってきて息のつく暇がないと思いますが是非一度立ち止まって受験とは何かを考える機会にしていただければ幸いです。

そこで今回は前回話した計画と実行の実行についてのより詳しい説明、そして受験勉強において持っておくと良いと私が考える心構えについて話していきたいと思います。

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実行

前回言及した計画と実行についての詳しい説明を行います。

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私は学習には段階があると考えています。よく高三の夏以降に一気に追い上げるということがありますがこれは全ての人に当てはまることではないと考えているのです。

高三の夏から一気に勉強時間が増えるというのは間違いありませんが勉強時間の増加がそのまま成績の上昇につながるのは勉強する土台が作られている人もしくはそもそも知識の蓄積が行われている人です。

そしてこれに当てはまる人の多くが進学校の生徒なのです。だからこそ進学校の生徒の多くがそれまではそれほど勉強をしていなくとも一気に追い上げて合格を勝ち取ることができるのです。

私は元々進学校に通っていませんでしたし下地もなかったので基礎の基礎からはじめました。ですのでその経験則からレベルを分けて説明していきたいと思います。

レベル1[ノー勉からの脱却]

中高問わず言えることで、特に自称進学校の生徒に多いことですがノー勉であることに対して一種の誇りみたいなものを持っている人がいます。私自身がまさにその一人だったのでアホらしく思えますがこの全く勉強していない状態から初めていきます。

この段階では勉強を日常のものとして捉えられるようにすることを目標にしましょう。

この段階は高一の現在(7月)ぐらいの時期だと考えてもらって大丈夫です。高二の人はもしこの段階を今から始めるとすれば少しスピード感が必要です。一つ一つのレベルは三ヶ月ぐらいかけてクリアしていってもらいたいのですが高二現在でもしこの状態に入ってないとしたら二週間ほどでこのフェーズを終えるかこのレベルをスッとばしてください。

さてこのレベルの詳しい説明です。この段階では勉強時間は1時間とかで構いません。もっとできるという人はやってもらって構いませんが無理のない範囲にしましょう

土台に穴が空いていると積み上げた時に崩れやすくなってしまうので注意してください。

1時間の勉強というとそれほど困難ではないですし全く勉強をしていなかった人でもこなせると思います。部活などをしている人も多いと思いますがその場合はできる日に1時間やるので大丈夫です。ですが週に5回以上は1時間勉強をするようにしてください。平日に5回やったら週末は遊びに行ってもいいですし、逆に平日は3回しかできなかったけど週末にきちんとやるのでもいいです。勉強を日常に取り込むことが目的なので日曜日に一気にやるみたいなのはNGです。

1時間で1教科勉強するようにしましょう。いろいろやろうとすると結局何もできずに終わります。どの教科をするかは任せますが主要三教科特にこの時期は英語をやるといいでしょう。

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レベル2[勉強の習慣化]

先ほどのレベル1は高一の夏から秋ぐらいまでだと捉えてください。このレベルは高一の冬から高二の夏までぐらいを想定しています。

レベル1をクリアしたみなさんは少しずつ勉強に慣れ始めたことと思います。この段階では勉強のより強固な生活への組み込みそして実力を伸ばすための勉強の開始を目指していきます

レベル1では1時間しかしていないのでおそらく学力が飛躍的に伸びることはあまりないと思います。もちろん何ヶ月もやってもらえれば少しずつ実力もついていくと思いますがそもそも目的は勉強に対する意識を変えてもらうことなので凄まじい実力がついていなくてもいいのです。

しかし、この段階は本格的に実力をつけていく段階です。勉強時間は伸びて1日に2時間〜から2時間半を目指してください。レベル1では休日も1時間で構いませんでしたがこの段階では休日は勉強時間を平日よりも増やしましょう。目安は3時間半〜4時間です。

この段階ではなるべく毎日勉強に触れてください。全く勉強に触れない日は極力作らないようにしましょう。30分でも構いませんから何かしら行ってください。

いきなり2時間越えの勉強が始まるのかと思ってしまう人もいると思いますがレベル1をきちんとこなしていればレベル2はそれほど苦痛ではありません。レベル1をすっ飛ばして2に行こうとするときつくて諦めてしまうことが多いのです。段階ごとにきちんと積み上げていけば強固な学力を積み上げていくことができます。

1日の勉強時間が多くなったので1日に2教科〜3教科できるようになります。英語を毎日勉強に組み込み国語と数学を日替わりで組み込むと言った具合で編成するといいと思います。もちろん毎日3教科全てするというのでもいいです。国語の中には現代文、古文、漢文が含まれますが比率は3対2対1ぐらいでいいと思います。週末には理社を組み込んで少しずつ勉強を始めていく感じです。

この段階は本格的に勉強を始める段階で次の段階にすすためには非常に重要な段階です。全ての段階が大事ですが少し次の段階への飛躍を遂げるためにはこの段階は非常に大事です。

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レベル3[勉強の仕事化]

レベル2では勉強の習慣化という言葉を使いましたがこの段階はさらにもう一歩進んで勉強の仕事化を目指していきます。この期間は割と長く高二の夏から高3の春ぐらいまでです。

勉強の仕事化とは何か簡単にいうと勉強は基本的に毎日この時間するのが当たり前のことなのだと頭に染み込ませることです。この段階は次の段階つまり受験直前までの段階の前に行う最後の段階です。この段階はきたるべき受験シーズンの前哨戦のようなものです。

どういうことかというと受験が近づいてくると往々にして今日は気分が乗らないなというが出てきます。これはほとんどの人にとって避けることが困難なことです。ここで勉強の仕事化ができているのとできていないのとでは非常に大きな違いを生みます。

つまりこの時間には机に向かって勉強をするのだという意識づけがされていると気分が乗らない日でも強い抵抗感なく学習に向き合うことができます

勉強時間はレベル2からまた増えて3時間半から4時間半です。3時間半とは書いておきますが最低で4時間だと捉えてください。4時間以上は時間を取ることが理想です。土曜日は学校がある人もいると思うので変わりますが平日よりは時間を取るようにしましょう。日曜日の夜は休むと決めて朝早くからやるのもいいと思います。

この段階の後半になればなるほど平日の平均的な勉強時間が4時間半ぐらいにしておきましょう。

このレベルまできちんと実行をしてこれた人たちはこの時間の増加は微々たるものに感じるはずです。もしかしたら自ら少しずつ増やしていることさえあるかもしれません。

ここまでくると勉強時間の使い方は皆さんにお任せします。一つだけアドバイスするとしれな理社の比率を前よりも増加させるといいと思います。理社は先取りしておけばおくほど後々が楽になるので。計画が苦手な人は前回の投稿をご確認ください。

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レベル4[最後のダッシュ]

この段階は最後の総仕上げの段階です。高三の夏以降から受験までの期間をこのレベルで突っ走れると目標をぐっと引き寄せることができると思います。

最後のダッシュと書いてありますが高三の夏から受験までずっと猛ダッシュをするというわけではありません。できたらそれがベストですがそれでは息切れしてしまいます。息切れしないためのコツを教えていきます。

まず最初にこの段階の勉強時間は5時間半〜6時間半、休日は9時間以上です。この段階でもいちいち勉強する科目は決めません。

さてでは息切れしないコツですが受験だけを目標にしていると何がいけないのか。少し期間が長すぎるのです。受験はあっという間に目の前に来るというのは間違いではありませんがとはいえ割と時間があります。この期間受験日だけを目標に勉強するのはなかなかに難しいことです。

ですから細かい目標を作るのです。受験を長いマラソンと捉えるのではなく短い短距離走の連続と捉えるのです。その根幹となるのが計画です。例えば参考書をこの期間中に終わらせるときめそれを着実に実行していく。小さな目標を一つずつ潰していって最後に受験日というイメージを持つことが大事です。

小さな目標を決めることの大きな意義は目標に僅かずつであっても一歩ずつ前に進んでいることを実感することです。

最後にレベル3、4では何をするかは自分で決めた方がいいと言いましたが一つ意識して欲しいことがあります。実践を意識して勉強するようにしてください。自分がいつも使っているなれたとこでリラックスした状態で問題を解くのと試験会場で問題を解くのは全く別物と考えてください。過去問をするにしろ普通を学習をするにしろ自分に負荷をかけながら勉強をしてください。

総評

ここまで実行について詳しい説明をしてきました。前回の計画編と一緒に読んでいただくと勉強の一助になるのではないかと思います。しかし、これはあくまで一つのモデルであるということを忘れないでください。これは絶対のものではないのです。

そもそもどのレベルを目指すかによってもどれほどで目標に到達できるかが異なります

極論を言えば最初からかなり頑張って高二の段階で相当な実力をつけていけば高三ではそれほど勉強しなくとも目標に到達することはできます。他にも高2の現在これをみた方でもレベル1をささっと終えてレベル2、3、4と積み上げていけば十分難関校と呼ばれる大学への実力がつくと思います。

それから実行していくときに大事なのは自分の勉強時間を取るということです。よく塾や教えてもらっている時間を勉強時間だと捉えている人がいますがそれは大きな間違いです。もし授業に追われ自分の学習時間が取れていないならばその人は十中八九落ちるでしょう。なぜか?

それは知識を吸収はしているものの消化できていないからです。少し抽象的なので詳しく説明すると教えられたことは教えられた瞬間はわかったような気になりますがその時点では定着していません。実力とは自分の引き出しからアウトプットできることを言います。教えられているだけでは一向に自分の引き出しが増えないのです。

ですから勉強時間をカウントするときは自学の時間をカウントしてください

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受験の王道

ようやく受験の王道についての話です。

心構えの話出てこないなと思いながらここまで読み進めたあなたはすごいです笑

未来像を意識する

早速本題に入りましょう。受験の王道とは何かずばり私は人格を高めることにあると思います

この言葉は私の恩師の受け売りではありますが私が教えてもらい自分なりに解釈したものです。

人格を高めるというと自分のことを人格者と考えている人なのかと思われるかもしれませんが決してそのようなことはありません。私自身は人格者から程遠い人間だと考えています。

では人格を高めるとはどういうことなのかそれは自分が目標としている大学にいそうな人間になれるように努力するということです。つまりただ単に学力を伸ばすことを考えるのではなく東大なら東大、早慶なら早慶にいそうな生徒は目指すのです。

これは何も人にこびろとか礼儀を正しくしろと言っているのではありません。自分はその学校にふさわしい人間だと胸を張って言えるように自分を見つめ直すのです。

常に考えろと言っているのではありません。例えば受験にマイナスな出来事が起こってしまったときや成績がいまいち伸びないときにふと考えてみてください。自分の中で目指している大学の生徒像を作ってそれを追いかけてみてください。

これをすることで自分を見つめ直すことにつながると思います。受験とは辛く苦しいものですが自分を見つめ直すチャンスでもあるのです。このことをぜひ頭の片隅にでも止めておいていただければ幸いです。

志望の理由

なぜその学校に行きたいのか?

志望の理由はきちんと考えるようにしましょう。みなさんがする必要はないと思いますが恩師は本当は原稿用紙3〜4枚かけないようじゃ難関校は話にならないといっていました。私はそこまでは言いませんが何かしら一つの理由を持っておくべきだと思います

高尚な理由を持つ必要などどこにもありませんが何かしらの理由を持っていないと辛く苦しいと思ったときに後一歩が出に悔いのではないかと思います。

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受験とは

最後に私が考える受験について話したいと思います。

昨今日本では欧米の大学に比べて日本の大学が競争力で欠けていると言われその競争力を上げることを念頭にセンター試験の廃止、共通テストの開始、そして国際とつく学部の乱立が行われるようになりました。

結論から言うと私はこの風潮に対して激しく疑問を抱きます。英語ができればそれでいいのでしょうか?

日本の文法さえも理解しないままに英語を学ぶことに果たして意味はあるのでしょうか?

私は帰国子女で中三まではほとんど勉強しなくても点数をとることができましたが高校でつまずきそのときに恩師に言われた言葉が受験中常に意識していた言葉があります。

「言語とは喋れればそれでいいのか?それならばそもそも日本語などと言うものが必要なのか?なぜ一度日本語に落として考えるのか?文法、語法が理解できていなくてどうして言語を理解できたと思うのか?」

私にとってこれは生涯おそらく忘れることのない言葉だと思います。

この言葉を聞いて私はようやく英語を基礎の基礎主語と述語から勉強し直すことができました。この件と受験を踏まえて私が学んだことがあります。

つまるところ受験とは知見を得るとはどう言うことなのかを学ぶ場なのです。私は世界のことを知るためには自分のことを知らなければならないと思って日本史と世界史を選択しました。ここで日本史の新たな側面を知り、自分が今まで持っていた概念は間違っていたものだとわかったのです。

もし勉強していなかったら一生知ることがなかったかもしれません。つまり受験とは知ることとはどう言うことなのか知らざると言うことはどう言うことなのかを教えるとともに知った上で自分で考える機会を私たちに与えるものなのです。

自分の目で見て耳で聞いて考察してやると言う気概をみなさんが持ってくれることを切に願っております。

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