みなさんこんにちは、ポケット予備校です!
「共通テストの世界史の傾向はどんな感じ?」
「どうやって対策したらいいの?」
そんな疑問を持っている受験生も多いでしょう。
今回は、共通テストの世界史について分析+対策を解説していきます!
プレテストから見える世界史の傾向
プレテストってなに?
プレテストとは、共通テストの傾向で作られた試験用のテストです。共通テストと同じ団体が作った問題で、このプレテストが一番共通テストの傾向に近いと考えることができます。
プレテスト は2回ありましたが、今回は、より新しい方のプレテストをもとに共通テストを予想していきます!
センター試験と比べると違いがハッキリ
去年まではセンター試験でしたが、センター試験と比較するとプレテストの傾向はハッキリと見えてきます。
まず、センター試験の問題は、基本的に1問1答タイプの問題でした。
それぞれの問題で、世界史のある分野についての長めの説明文的な問題文があって、そこのいくつかのキーワードに下線が引いてあり、それについて一問一答的に答えるような感じでした。
長めの説明文的な問題文には、問題を答える上ではほとんど意味がなく、下線だけ読めば解ける、といったものでした。
もちろん、図や資料を使った問題もいくつかありましたが、9割くらいの問題はテキスト情報の問題で、1問1答的に「AがBした」というような知識があれば答えられるような問題でした。
まとめて極端に言えば、センター試験は1問1答の参考書を1冊持ち込めば楽勝で点が取れる、というような試験でした。
プレテストは資料が増えて問題のタイプも増える
対してプレテストでは、このような傾向はかなり変化がありました。
まず、図やグラフ、表などの資料を使って解くことが前提の問題が非常に多くなりました。これがまずは最大の特徴と言ってよいでしょう。ちなみに、資料を使って解く、というのは日本史や国語、数学のプレテストでもあった傾向で、共通テスト全体の傾向として考えておくと良いでしょう。
この結果、「AはBをした」という知識だけでは対応できない、といった状況になりそうです。極端な話、センター試験では1問1答を丸暗記すれば9割はカタい、といった感じでしたが、共通テストではそれに加えて資料集などを見て資料への対応が必要になります。
さらに、問題文についての話としては、センター試験では問題文が回答するときにはほとんど関係なかったので、下線が引いてあるところだけ読んで答えればよく、割と時間にも余裕がありました。
しかし、プレテストでは問題文が穴あきになっている、とか、明治時代くらいの古文調の文章がまるまる問題文として読まされる、など、問題文を読むことが質的にも量的にも重たくなり、時間もセンターほど余裕はなくなるでしょう。
これに加えて、授業形式のものや生徒が議論したりするタイプの問題、さらには、正しい選択肢が複数あって、どれでも1つ選べばよく、さらにどれを選ぶかは次の問題に影響する、という目新しい困惑しそうな仕組みも現れて、問題のタイプが多様化しそうです。
問題が難しくなる
センター試験は、平均点が6割になるように作られていましたが、共通テストは平均点が5割になるように作られるという報道もあります。
つまり、シンプルに問題が難しくなると予想できます。
出典元:共通テスト平均5割目安 センターより難化 試行調査結果公表(日本経済新聞 2018年)
プレテスト世界史の特徴的な問題を解説!
大問1ーB
問題文が穴あきになっていて、そこを埋める問題です。センター試験では回答の中心は選択肢選びで、問題文は全部読まなくてもよかったのですが、プレテストでは問題文を読むことも含めて問題を解く、ということになりました。
ただ、選択肢の内容は基本的な世界史の知識なので、答えるのは大丈夫でしょう。
大問1ーC
棒グラフを使った問題です。センター試験のような、世界史の知識を測る、というだけでなく、それをグラフなどを組み合わせて活用して解く、という力が求められています。
また、この問題は「カナダに海外旅行に行こうとしている林さんという人がカナダの歴史を調べてる」という想定の問題で、このような、世界史の問題としてとくに関係のない状況設定で問題を出してくる、というタイプの問題は十分に出る可能性があります。
このような、ある意味余計な状況設定にとらわれず、世界史の問題として素早く正確に解く力も必要になりそうです。
大問2ーB
これはかなりクセのある問題で、センター試験とは違う、共通テスト対策の必要性を強く感じる問題でした。
まず問題文が明治大正時代の古文調の回想録を読んで文章に入る国名を選ぶという今までではほとんど見たことのないタイプの問題です。この古文調の回想録はかなり読みにくく、問題を解くのに時間がかかります。
さらには、この文章を読む限り、回想録の筆者はどのような活動をしていたと考えられるか、という現代文の読解との融合問題ともいえる問題もありました。
センター試験ではあまり考えられなかったタイプの問題です。
大問4ーA
これもかなりクセのある問題です。ポーランドについての問題文ですが、風刺画がセットになっています。近代以降の世界史ではよく風刺画が登場しますが、ここではそれが直接問題にからんできます。
そして選択肢にも新しい仕組みがあり、まず正解が1つではなく複数あり、1つだけ選べばいい、という問題が見られました。これは問題文を軽く読んでしまうと、いつも通り正解は1つしかなくて、「2つとも正しそうだけど、選ぶのは1つだし、どちらかは間違ってるはずから消去法的に考えて・・・」と言った誤った考え方をしてしまいます。
クセが強いのはここで終わらず、次の問題はここで選んだ選択肢によって正解の選択肢が変わる、という変則的な作りになっています。
こういう問題も出る可能性があるんだ、と知っておくことがまず大事です。それから、どんなタイプの問題が出るか分からないので、本番では問題文をしっかりと読むようにしましょう。
センターのように1つ選べばいいんでしょ、といった推測で軽く読むと問題の聞いてることが違った、となりかねないので注意しましょう。
大問5
この大問ではグラフと表が合わせて5枚出されて、それを元に問題を解くタイプでした。かなり資料重視の方向にきていることが改めて分かると思います。
ただ、示されたグラフなどは、産業革命に関連した、教科書などに載っているようなレベルのよく見るものなので、資料などをよく勉強した人にとってはすぐに解けるものでしょう。
資料を使った勉強がとても重要になることが分かりますね。
全体
まとめて言えば、世界史の試験を受けているのに、世界史の知識と関係のないところで時間を取られる、と言えます。時間も十分に大事ですが、それ以上に問題文がなに言っているのかよく分からなくて、知識はちゃんとあるのに正解できない、ということにならないことが大事です。
ただ、問われている知識レベルはセンター試験と変わらず基本レベルなので、今まで通りに基本をしっかり勉強することも引き続き大事です。
それでは、このような共通テストの世界史の対策を解説していきます。
共通テスト世界史の対策はこれだ!
基礎の知識をまずはしっかり覚えよう
世界史の対策はまずはここからです。確かに共通テストでは1問1答のような単純な知識問題が減るとはいえども、基礎となる知識がないとどうしようもありません。
これは共通テストだけでなく、2次試験を受ける人は2次試験でも当然必要になってくるものなので、2つも試験のためにまとめて覚えてしまいましょう。
レベルとしては、そもそも入試というのは教科書の内容から出題されるので、教科書の内容がちゃんと頭に入っていればとりあえずOKです。そもそも教科書は世界史(と日本史)の勉強の最も大事な教材なので、たくさん読み込みましょう。
ただ、知識を覚えるには教科書より1問1答のような参考書の方が覚えやすい面もあるので、自分に合った参考書を使って基本知識を覚えていきましょう。
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資料と知識を結びつけて勉強しよう
センター試験であれば基本知識の暗記でもうほとんど終わりといった感じでしたが、共通テスト対策では、この資料を使って解くことが非常に重要です。
例えば中世の地図を見て、有名な都市を場所で答える、といった割とオーソドックスな問題だけでなく、風刺画を見て絵が表している時代状況をつかむ、といったような、複雑で見慣れないような問題にも対応できるようにしないといけないでしょう。
この対策のためには、なんといっても資料集です。資料集はその名の通り資料の宝庫なので、これをよくよく眺めていろんなタイプの資料に馴染んで、それぞれの資料が何を示しているのかを頭に入れましょう。
ビジュアル的に世界史を知ることができるので、楽しみながら勉強できると思います。
それと合わせて、プレテストや共通テスト問題集などで資料がからんだ問題をたくさん解いて慣れるようにしましょう。やはり初めてだと資料を見て必要な知識を思いついて問題を解くのは処理に時間がかかると思うので、問題をたくさんこなすことで慣れるとともに早く解けるようにしましょう。
新しい問題タイプに慣れよう
これも共通テストから始まる対策です。繰り返しますが、センター試験のような単純な問題が少なく、問題の仕組みから新しい・難しい、といった問題が増えると考えられます。
これもやはり慣れてないと時間が取られるだけでなく、問題がなにを言っているのか分からなくて、ちゃんと知識はあるのに正解できない、と言ったことになってしまうので、ちゃんと対策しておくのがいいでしょう。
方法としては、これもやはりプレテストや共通テスト対策問題集を解いていろんなタイプの問題に慣れる、と言ったことに尽きると思います。「クセあるなあこの問題」というような問題も解けるようにしておくことです。
ある程度は年号も覚えよう
プレテストでは出来事の起こった順番を問う問題もありました。もちろん単純に歴史の流れをちゃんとつかめていれば問題ないのですが、年号を覚えておくと答えるときに保険があるので楽になります。
「どっちが先だっけなあ」と記憶があいまいなときも、年号は数字で絶対に順番が決まっているので、このルートでも正解に辿り着けます。
特に共通テストのようなどんな問題が出るか分からない試験では、いざとなったら年号の小さい順に並べればいい、という準備も戦略としてはアリなので、覚えられるなら年号は覚えておきましょう。
対策をまとめると、けっきょく、基本的な知識をしっかりと身につけて、新しく出るようないろんなタイプの問題に慣れるためにたくさん問題をこなす、といったことになるでしょう。また、年号も安保得ておくといいよ、ということも追加ですね。
東大受験生の世界史対策
東大受験生向けの世界史対策はこちらの記事に詳しく書いて解説しています
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まとめ
以上が共通テスト世界史の分析+対策です。
共通テストは名前が新しくなるだけでなく、試験の中身もやはり変わります。新しいタイプの問題にできるだけ対応して、高得点を取ることを願っています!
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