皆さんこんにちは!ポケット予備校です!
この記事では、2020年度から導入される「大学入学共通テスト」での科目「英語」のリーディングの傾向やその対策法について、現役東大生が解説します。
リスニング編はこちらから!
皆さんこんにちは!ポケット予備校です!この記事では、2020年度から導入される「大学入学共通テスト」での科目「英語」のリスニングの傾向やその対策法について、現役東大生が解説します。リーディング編はこちらから![sit[…]
共通テスト「英語」はどのようなテストなのか?
まず、共通テストの英語ではリーディング100点+リスニング100点の合計200点満点のテストになります。リスニングの重要度がかなり上がるので、リスニングの対応もしっかりとしましょう!
共通テストの各科目の配点表はこちら(9ページ〜10ページあたりにあります)大学入試センター公式HP
さて、今回はリーディングに特化して傾向と対策を考えていきたいと思います。
「共通テスト」はまだ一度も実施されていませんが、平成29年と平成30年に「試行調査(プレテスト)」なるものが行われ、「共通テスト」がどのような傾向であるかをここから見ることができるので、これを参考にしながら「共通テスト」の傾向について解説していきたいと思います。
平成30年のプレテストの問題はこちらから(大学入試センターHP)
2020年を最後にセンター試験は廃止され、2021年からは「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)へと移行します。受験生の皆さんは、この移行によって受験勉強のあり方がどのように変わっていくのかについて不安に思っていることでしょう。
「共通テストの英語ってどんなテストなの?」
「センター試験の英語とどこが違うの?」
こんな疑問を持っている受験生も多いようです。
結論から言うと、英語リーディングは
「共通テストの英語は、センター試験の英語とは本質的にはほとんど変わらない」
のです。
選択肢問題(マーク式)である点はもちろん変わりません。そして、センター試験で見られた「アクセント・発音問題」「文法・語法問題」などの出題が見られない一方、センター試験の大問4で見られたような「図表・文章読み取り問題」の出題が大幅に増加しているのが共通テストの特徴です。
つまり、基本的には「図表・文章読み取り」タイプの問題の対策に絞ってセンター試験対策の勉強をすれば、共通テストにも十分対応できるのです。
ですから、受験生の皆さんはそれほど心配することなく、これまで行ってきたような英語の対策法を行えばいい、というのが僕の感想です。
では、以下で詳しい「共通テスト」英語の傾向についてみていきましょう。
大問ごとの出題傾向
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以下の表では、平成31年度の「センター試験」英語と平成30年度の共通テスト「試行調査」英語で、大問数と大問ごとの出題内容を整理しています。
平成31年度「センター試験」 | 平成30年度「共通テスト試行調査」 | |
大問1 | 発音・アクセント問題 | 手紙・パンフレット読み取り問題(読解) |
大問2 | 文法・語法問題 | パンフレット・ニュース記事読み取り問題(読解) |
大問3 | 文章除去・穴埋め問題(読解) | ブログ記事・雑誌記事読み取り問題(読解) |
大問4 | データ・図表・パンフレット読み取り問題(読解) | 記事読み取り問題(読解) |
大問5 | 小説文問題(読解) | 雑誌記事読み取り問題(読解) |
大問6 | 論説文問題(読解) | 記事読み取り問題(読解) |
センター試験では、上の図に見られるようにバラエティに富んだ出題がなされていました。
大問1では単語の発音やアクセントについて、大問2は文法・語法について問うような問題が例年出題されていました。
大問3以降は文章の読解が中心ですが、大問によってその設問の様子は異なります。
大問3では、「問題A」にて1パラグラフ(段落)の文章が用意され、その中で段落の文章のまとまりをよくするために取り除いた方が良い一文を選ぶ、という問題が、「問題B」にて複数の登場人物によるやりとりを書いた一文があり、その中の穴埋め部分に補充すべき一文を選択肢から選ぶ、という問題がそれぞれ出題されました。
大問4では、「問題A」にて統計データの表を伴った文章が示され、それについて読解する問題が、「問題B」にて地域の城についての案内文(パンフレット)が示され、それについて読解する問題が出題されました。
大問5では短い小説文が示されてそれについての読解問題が、大問6では論説文が示されてそれについての読解文章が出題されています。
年度によってもちろん若干出題傾向は異なるのですが、例年は「発音・アクセント問題」「文法・語法問題」「データ・資料の読み取り問題」「オーソドックスな小説・論説文の読み取り問題」がバランスよく必ず出題されていました。
ところが、プレテストでは、その傾向が一変しています。
まず「発音・アクセント問題」および「文法・語法問題」が消えています。
また、読解問題もセンター試験大問5・大問6で見られたようなオーソドックスな文章の読み取り問題ではなく、必ず「新聞記事・雑誌記事・論文・パンフレット・手紙・日記などの資料の読み取りを通して読解力を測ることを目的にした」問題である事がわかります。
センター試験で言えば大問4のような問題です。「平成30年度プレテスト」は、このような「資料読み取り」問題のみで試験が構成されるという、極端な構成になっています。
共通テスト対策
ここまで、共通テストでは「資料読み取り」型の文章読解問題が重要になることを見てきました。では、この「資料読み取り」型の文章読解問題について対策するには、何か特別な対策は必要なのでしょうか?
はっきり言うと、「資料読み取り」型文章読解問題は通常の文章読解問題とほとんど本質は変わりません。ですから、何か特別な対策をする必要はほとんどありません。
読むのが普通の文章であろうが資料を伴った文章であろうが雑誌の記事であろうが、それが英語で書かれていることには変わりありません。そして英語の基礎が固まっていないと、文章の読解など行えるはずがないのです。
共通テストの英語で高得点を取りたいと思ったら、普通の英語の対策を行うのが一番の近道です。それは、「基本的な英単語・文法・語法の確認」、そしてひたすら英語の文章を読む練習をして「英文読解に慣れること」です。
センター試験の過去問を活用
何度も述べているように、「共通テスト」は「センター試験」とほとんど本質が変わりません。まだ一度も「共通テスト」が行われていない以上、「センター試験」の過去問を解くのが一番の「共通テスト」対策といえるでしょう。
ただし、先ほども述べた通り、共通テストでは「発音・アクセント」「文法・語法」問題が消えることが予想されます。センター試験において共通テストとは大きく出題傾向が異なると考えられる「大問1」「大問2」「大問3」は解く必要はないでしょう。
ですから、センター試験を用いて共通テスト対策を行いたい、と考えるなら、読解問題(大問4・大問5・大問6)、特に資料の読み取りという点で共通テストと類似性が高い「大問4」を中心に過去問演習を行いましょう。
過去二回行われている「共通テスト試行調査」も、「共通テスト」の形式的な傾向を掴む上では有効でしょう。一度目を通しておきましょう。
各予備校の「共通テスト模試」を受験する
「共通テスト」導入を受け、有力予備校の各社が「共通テスト」型の模試を実施しています。まとめると次の通りです。
- 駿台系「駿台共通テスト模試」「駿台プレ共通模試」「駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試」
- 河合塾系「全統共通テスト模試」「全統プレ共通テスト」
- 東進系「共通テスト本番レベル模試」「全国統一高校生テスト」
- 代ゼミ系「大学入学共通テスト入試プレ」
これらの模試は、新しい「共通テスト」の出題形式に準拠した問題を出題しています。ですから、どうしても「共通テスト」の問題形式に慣れておきたい、という人は受験すると良いでしょう。
ただし、これらの模試を全て受験する必要はもちろんありません。まだ十分な力がついていないのに模試を受けすぎるのはかえって逆効果です。必要最低限回だけ受験して出題傾向・形式を捉えるにとどめ、基本的な英語の学習をメインに勉強することを心がけましょう。
まとめ
この記事では、以下のようなことを述べてきました。
- 「共通テスト」では、「センター試験」大問4に見られるような「資料読み取り問題」が中心となる
- 「資料読み取り」型の読解問題も、基本的には普通の文章読解問題と変わりない
- 英単語・文法・語法の確認と、文章読解の練習を積み重ねることが大事
この記事を参考にして、共通テストの対策を行っていきましょう。
東大文系、2019年入学で、ポケット予備校では文系数学と地理、古文を担当しています!この記事がみなさんの参考になることを願っています!