皆さんこんちには。ポケット予備校です。
さて理系数学対策と言って、前半後半二回に分けてお送りしますが、今回この後半編でお話しするのはズバリ、
- いつまでに何をやるべき?
- 目標点は?
- 過去問の使い方
と言う点に絞って話していきたいなと思います。それではまず
いつまでに何をやるべき?
さて、今回のタイトルとしては東大数学を突破するにあたっての勉強計画となりますが、結論から言って東大を合格するにあたって従うべき必須の勉強計画はありません。各自が自分の得意不得意、理科や社会の進度も鑑みながら総合的に判断して進めれば良いのです。なにしろ、東大合格の必要十分条件は2/25までに東大の問題に対応できるようになっていることなのですから。
さて以上のことを大前提とした上で、東大合格者の勉強計画として標準的なものをあげたいと思います。
〜高2の冬
ここまでに数ⅠAⅡBの教科書的事項は終了し、入試問題の演習に入れる人が多いと言う形ですね。東進が2/25,26に東大同日受験という模試を主催しており、この受験時に数ⅠAⅡBの範囲ではある程度戦えるのが理想でしょうか。
〜高3の3月、遅くとも7月
ここまでには数3も全範囲終了し東大の過去問演習とは言わないまでも、一般の入試問題において数3も含めて取り組めるぐらいの実力が欲しいですね。特に初の大型東大模試となるであろう夏の東大オープン, 実戦においても数学においてはある程度戦えることが理想ですね。
〜夏休み終了
基礎の抜けを確認する最後の機会です。秋以降は特に現役受験生においては理科社会の仕上げと東大の過去問演習が必要なため、英数の基礎事項の徹底は夏が最後のチャンスです。秋以降スムーズに過去問演習のフェーズに入られるようにも、夏の間に基礎事項の見落とし、苦手分野の克服は徹底的に行いましょう。
秋〜
数学においては東大(および東大模試)の過去問を最大限利用して演習量を積み本番の得点力を伸ばす時期です。特に11月にある秋模試においては夏に比べて数学の難易度も上がることが予想されるのでこれらの模試にも立ち向かえるよう、9,10月で数学力を磨きましょう。
さて以上が東大数学攻略へのロードマップとなりましたが最初に述べましたとおりあくまで目安でしかないことにはご留意ください。
目標点
さて目標点ですがこれも合格点とは各科目のトータルの問題である上、個人により大きく異なることを断った上で一般的な目標点というものを述べたいと思います。
そもそも年ごとの問題の難易度差に大きく左右されるものではあるのですが、理科三類と一,二類で分けて大雑把にいって
理科一,二類・・・70点
理科三類・・・90点
が目標と言ったところでしょう。
さらに東大数学の目標得点で大切なのは少なくともこの得点は維持するという「最低目標得点」を設定することです。
これまた人によって大きく異なりますが上にあげた得点-10点が目安となるでしょう。
すなわち
理科一,二類・・・60点
理科三類・・・80点
と言ったところですね。
さて以上のように目標点、最低目標得点を決めた後ではどうやってその得点を達成、維持するのかという計画を立てる必要があります。祈ってもその得点が取れるわけではないですからね笑
具体的には上の最低目標点を達成するならば
理科一,二類・・・2完+4問部分点
理科三類・・・3完+1~2問半完+1問部分点
あたりが目安になるでしょう。
さてこのように目標点を設定した以上、一つ見えてくることがあります。それは(入試では当たり前ですが)基本的に全問解答は目指さなくて良いのです。無論数学で周りの受験生と差をつけようという人や2017年のように簡単な年では満点もしくはそれ近くの点数を得点する必要が生じてきますが、普通の年と受験生であれば、150分という時間の中で何を解き、何を捨て、どう見直しをするかということが非常に大切になってきます。
実際に東大の問題において時間が150分で十分ということは基本的にはあり得ませんし、6問ある問題のうち難易度にも大きなばらつきがあります。10分で答えが出るような問題もあれば、60分計算と論述を続けてやっと答案が完成すると言った問題もあります。
こういう背景がある以上、試験が開始してから問題をまず6問眺めましょう。
そうした後、まず簡単な問題から確実に答えを合わせ得点してしまうのが得策です。これまた年によるのですが、例年(ある程度しっかりと受験勉強を行った受験生であれば)1,2問は比較的簡単に解けそうだと直感的にわかる問題が出題されます。これらをパッと見分けて本番でもミスなく確実に解き切る実力は必要ですし、この実力を養成することがまず受験勉強の第一目標と言えるでしょう。
さて、はっきりと言って仕舞えば、この段階で上記の理科Ⅰ類II類の得点を目標とする受験生ならば一安心です。後は残った問題の中からもう1,2完するなり解けそうな小問にくらいついて部分点を稼げば上記の目標は達成できます。
理科Ⅲ類の受験生ならばもう1,2完したいところでしょう。ここからがなかなか難しいのですが、例年あと、1,2問は多少時間がかかりつつも完答可能な問題が出題されます。理科Ⅲ類の受験生であれば、このレベルの問題まで感動できる実力を養成したいですね。
あと、1,2問は数学が得意だったり数学を得点源としている人は是非完答していただきたいですが、実際にはタイトな試験時間と実際の入試での緊張感も合わせると、部分点止まりか白紙で終わる受験生が多いようです。ここの部分の得点に関しては、合否にそこまで関わってこないと言ってもいいでしょう。
過去問の使い方
さて、過去問の勉強方法としてよく質問に上がるのは
- いつからやるべき
- 何年分やるべき
- 時間は計る?無制限?採点は?
と言ったことでしょうか。上から順番に答えていきたいなと思いますので少々お付き合いくださいませ…
①まずいつからやるべきかと言った時期の問題ですが、これまた上で述べた通り各自の勉強スケジュールに合わせていただいて構いません。
その上で一般的な計画を提示するとすれば数学に関しては夏休みから、特に遅くとも夏休み明けから過去問演習に入れることが理想的ですね。
実際その時期から英数国に関しては過去問演習にはいる受験生が大半ですし、あくまで傾向としてですが、英数国に関してその時期に遅れた受験生は本番での英数国の結果も芳しくない場合が多いです。
この時期から過去問演習に入れるように基礎の徹底含め高2あたりからしっかりと勉強計画を立てられておくといいですね。
②何年分過去問をやるかと言った問題ですが、また結論からいいますと、何年分やって頂いても全く問題ありません。多ければ多いほどいいでしょう。もちろん傾向は時代や年により変化するものですが、東大入試に一貫して出題されやすいテーマというものはありますし、何より過去の入学試験ほど自分の実力を試すのに絶好の教材はありません。市販されている赤本などでは25ヵ年分基本的に掲載されていると思いますので是非全てやって欲しいですし、それでも余力のある人はインターネット上のサイトに50年以上前の東大数学を一部解答付きで掲載しているものもあるのでそちらを演習しても良いでしょう。
③演習形式ですが、これまた個人に大きくよる問題ではあるのですが、基本的には本番のシミュレーションということで150分時間をはかり、採点までして自分の得点を出すのが良いでしょう。もちろん今までの問題演習で見かけたことがある問題がある年のセットはその問題を除いて時間も測り得点を出すのが良いでしょう。
ここで一点注意して欲しいのが、150分終了した瞬間に切り上げて答え合わせを始めないで欲しいということです。もちろん、時間制限が来た時点で可能ならばコピーを取ったり少なくとも写真に取ったりすることで記録として自分の答案を残した上で、わからなかった問題については時間を延長して解けるのか試みて欲しいです。
実際の試験において時間がないため解けなかった問題か、それとも時間無制限で考えても答えに辿りつかない問題であったか区別をしておくことは、実際本番の試験の際捨てるべき問題と回収するべき問題の選択にもつながるからです。
さらに付け加えるならば時間を測るだけでは単に自分の実力チェックとしての意味しかほぼ持ちませんが、時間無制限の演習という点では自分の思考力の養成にも繋がりますよね!
ちなみに採点に関してですが記述答案ですし自分で仕上げてしまうよりは他人に見てもらうことをお願いする方がいいですね。
もし点をつける場合は東大の採点は大問1問を50点満点で採点してそれを20点に換算していると言われているのでそれに従って点をつけてみても面白いでしょう。
まとめ
さて今回の「東大理系数学対策~後半~」を要約すると
- 夏までに基礎の徹底、最悪でも夏休み明けまでに
- 目標点を定めてその得点に到達できるよう時間配分を考えよう
- 過去問はやればやるほどよし
と言うことでした。それではまた来週お会いしましょう!
東大理系、2019年入学で、ポケット予備校では理系数学を担当しています!この記事がみなさんの参考になることを願っています!