皆さんこんにちは!ポケット予備校です!
今回は東大英語のリスニングについてです。リスニングは試験時間の真ん中に実施されるなど非常に特徴的な大問だと言えます。
また、2018年の入試以降選択肢が5択になるなどここ最近の東大リスニングはかなり難化しています。受験生の中でも東大リスニングは中々高得点が取れなくて悩んでいる方も多いのでは無いでしょうか。
それに本番の試験場では音声が参考書や予備校の模試とは全然違うとよく噂されていますが、この真偽など受験生は不安になっているのでは無いでしょうか。
東大英語リスニングの最大の難点をひとことで言うと「処理する情報量の膨大さ」です。今回はここにフォーカスして東大英語のリスニングについて、現役東大生が攻略法を解説していきたいと思います。
東大リスニングの基本情報
東大リスニングは東大英語の大問3という形になっています。東大英語は120分の大問5問構成です。
配点
大問 | 配点(河合塾) |
1 | 26点 |
2 | 18点 |
3 | 30点 |
4 | 26点 |
5 | 20点 |
河合塾の東大模試の配点ですが、5つある大問の中の一つとしてリスニングがあります。小問3つ、各小問に5つ問題があり合計15問の問題があります。
配点は大学が公表していないため明らかになってはいませんが、一問2点の30点としている模試が多いです。
時間ですが、試験時間開始後45分経過した時に問題文の放送が始まり、そこから30分問題文が流れ、その後45分試験時間があります。つまり試験のちょうど真ん中にリスニングの試験が行われるわけです。
この独特な位置づけが東大英語リスニング攻略をより難しくしています。
東大リスニングの攻略
下読みはいつやる?
東大英語は試験時間の真ん中に行われるため、選択肢をあらかじめ読むことが可能です。というか、放送文の内容をあらかじめ把握していないとまともに問題を解くことができないので普通の受験生はまず下読みします。
この下読みですが、これをいつやるのか?という問題があるんですよね。東大英語に関する参考書やサイトを見ると基本的に①試験開始直後②リスニング開始直前のどちらかにしようというアドバイスがされています。
試験開始直後に下読みする理由は、試験問題を集中して解いていると時間感覚を忘れてしまい、気づいたらリスニングになっていたというのを防ぐためです。下読みを忘れるというのは非常に不利だし直前に慌てて下読みするのも迷ってしまうので試験開始直後にやると予め決めてしまうわけです。
リスニング開始直前にする理由は、単純に直前に解いたほうが選択肢の内容を覚えていられるからです。また、試験開始直前に下読みをしてしまうと選択肢の内容に気を取られて他の問題を解く際に思考の妨げになってしまう恐れがあります。
結局のところ自分の好きな方を選ぶ(もしくは新しいやり方を開発する)って感じでいいんですが、ポケット予備校は下読みはリスニングの7分前から行うことを推奨しています。
試験開始直後に下読みすることの理由ってあまり強く無いんですよね。東大英語は時間制限の厳しい試験なのでまじめに対策してきた受験生はきっちりタイムマネジメント力を身に着けて臨みます。つまり時計を頻繁に確認して何分までにこの問題までは片付けないとなということを意識して試験問題を解いています。
また、筆者のように東大英語の演習を徹底的にやってきた受験生はちょうどボクサーが1ラウンドの時間である3分を体が覚えているように東大英語の時間感覚も染み付いています。
よって下読みを忘れるということはあまり無いのかなと個人的には思っています。というか、あまり一つの物事に熱中せずに俯瞰的にマルチタスクする能力が東大入試全般で問われているため、東大英語についてもしっかり時間配分を意識していくといいと思いますよ。
ちなみに5分ではなく7分としているのは最近の傾向では選択肢が5つになっているため5分だと十分に選択肢を分析できないと想定されるからです。解くのが早くなって7分より長くすることはあっても短くすることは無いかなと思っています。
下読みの超具体的なやり方
先に書きましたが東大英語リスニングは短時間で非常に膨大な情報を処理しなければなりません。選択肢が4択だった時代は正直適当に下読みしていても大丈夫でしたが、5択になったことで遥かに処理しなければならない情報が増しました。そのため、下読み段階から積極的に選択肢を絞っていかないとかなり厳しい戦いを強いられます。ここでは筆者が行っていた下読みの超具体的なやり方を書いていきます。
まずは問題を分類することです。東大英語のリスニングは①放送分の一部をピンポイントで聞けば絞れる問題②放送分の全体を踏まえなければ選択できない問題に分けられます。まずはこれらをざっとでいいので分けておくといいでしょう。
次に選択肢の中で他の選択肢と異なっている部分、つまり識別しなければならない部分の情報の種類がどんなものかをチェックします。情報の種類というのは、「数値」「ものごと」「理由」「背景」「話者の主張に合致するもの」といったことです。これらをチェックしてあとで分かるように軽く書くなり選択肢の一部を囲うなりしましょう。
それが終わったら選択肢をとりあえず絞ることを進めます。東大英語は私大の英語とは異なり「与えられた情報から自然に導けること」が正解の選択肢になることが多いです。そのため、例えば問題がガンジーの伝記についてとかなら彼は暴力に訴えかけて~みたいな内容の選択肢はとりあえず切っておいて大丈夫です。
ですが、たまにその自然な選択肢を裏切るケースが出題されます。というか、常識から簡単に導かれたらわざわざ問題にする必要が無いので裏切るケースもそこそこあります。そういったケースもあるので、予め切っておいた選択肢もチェックしなくてはなりません。
では選択肢を切るのは意味が無いし混乱してしまうのでは無いだろうか?と思われるかも知れません。しかしそれは考え方が逆です。実際は選択肢をあらかじめ切っておくことで選ぶ際の基準というものが生まれます。
実際にリスニングの問題を解いていることを想像して下さい。その際、何も書いていないまっさらな5つの選択肢を相手にするのと、あらかじめ理由をもって切った・残した選択肢が並んでいる状態を相手にするの、どちらが楽でしょうか?明らかに後者ですよね。下読み段階で選択肢が二つに絞れたとして、放送文を聞いた後にその二つを見て、どちらかが正解ならそれを選んで終了。正解でなくても確固たる理由をもって他の選択肢を選べます。
この辺りは中々納得しにくいと思うので実際に東大型の演習をやる時にやってみて下さい。かなり有効だとわかるはずです。
英文が流れている時の過ごし方
英文が流れている時はとにかく聴きましょう。放送文を聴いて内容を覚えることに集中して下さい。メモを取る人もいるかもしれませんが思考が乱れるし、メモを取っている間も覚えなければならない内容が間断なく流れ続けるので個人的にはやらない方がいいと思っています。
ただ、一つだけやってほしいのは下読み段階で放送文の一部をピンポイントで聞けば絞れる問題と分類した問題を解くことです。これは数字が該当する内容が流れた瞬間に問題用紙にざっと丸をつけてすぐに放送文の把握に戻りましょう。間違ってもマークシートに記入なんてしないで下さい。上に挙げた理由に加えマークミスを誘発してしまうというデメリットがあるので、一通り選択肢を選び終わってからまとめてマークしましょう。
後はなんとなく全体を把握して下さい。一言一句丸暗記するのは多分難しいので選択肢の内容中心に内容を把握していきましょう。
1回目の放送が終わったら選択肢を絞りにかかり、2回目は絞りきれなかった部分を集中的に聴きましょう。
リスニング中に他の大問を解くのはどう?
自分は東大英語が得意だという人がやりがちなリスニング中に他の大問を解くという行為ですが筆者はオススメしません。
理由を何個かあげますと、リスニングは処理しなければ非常に膨大なため余裕が無い・放送文は2回しか流れず解き直すことができないため自分は満点だと確信できるまで徹底的にチェックするべき・リスニングの問題が気になってしまい他の大問もおざなりになってしまう・英語が得意ならリスニング中に他の大問を解かずとも余裕を持って全ての大問を解き終えられるとかでしょうか。
筆者は英語が得意だと自負していたしカッコつけたかった(誰も見ていないのに)ので受験期の途中まではやっていましたが、以上の理由からやめました。
強いて言うなら英作文の見直しはやっても良いんじゃないでしょうか。そんなに頭を使わないし時間もかからないので、全ての選択肢が正しいと確信できて2回目の放送文がまだ流れているという状態ならやってもいいと思います。
東大リスニングの練習方法
上ではリスニングを実際に解く際に意識していたポイントを書いてきましたが、ここでは普段の勉強で意識したい東大英語の練習法について。はじめの所に書きましたが、リスニングの本番の環境は期待しない方がいいです。音声はCDの音源よりかなり速く、篭もり気味のスピーカーから出された音が反響したり、色々な地域の訛りがある話者が登場するなどてんやわんやです。
練習法としては、話速を早めて音源を聴くこと、イヤホンでは無くスピーカーで、しかもスピーカーは音が出る部分を壁に向けたりすること、なるべく訛りがある英語を聴くなど、とにかく厳しい環境で練習しましょう。
東大リスニングのオススメ参考書
東大リスニングのオススメ参考書を紹介していきます。
速読英単語シリーズ
皆さんこんにちは!ポケット予備校です。今回は英単語の暗記についてです!単語の暗記は正直面倒くさいと思います。基本的に単純な作業でやってて面白くないなと感じる人も多いのではないでしょうか?また、何度繰り返してもなかなか覚えられなくてし[…]
英単語帳の使い方の記事にも書きましたが、速単シリーズで普段から音声に慣れておくのは有効な対策となります。
鉄緑会 東大英語リスニング
市販の東大リスニング教材ではこれが一番でしょう。ですが、選択肢が4つなこと・最近の本番はこれより遥かに難しい問題がでることなどから、あくまでも練習用と捉えた方がいいでしょう。
TOEFL リスニング
市販の東大英語リスニングの教材が本番と比べて簡単すぎるのでTOEFL用の問題集にも手を伸ばしました。上の鉄緑会の問題集よりは難しいですが、それでもやはり選択肢の数が4つなど本番よりは簡単になっています。ですが、練習用としてはこれが悪くないのでとりあえず数をこなす点では使うといいと思います。
東大の英語リスニング20カ年
他の科目と同じですが、過去問は大事です。特に2018以降の選択肢が5つになった問題は必ず解きましょう。
ですが、特に昔の問題は現在の傾向からすると非常に簡単になっています。そのため、あまり昔の問題は解かないでその時間をTOEFLの問題集などを解いていきましょう。
まとめ
今回のまとめです
- 東大英語リスニングは非常に難しい
- 膨大な情報を処理しなければならないため工夫が必要
- 本番はかなり音声が乱れているので工夫が必要
それでは、この記事を参考に盤石のリスニング力を身に着けていきましょう!
東大文系、2019年の入学で、ポケット予備校では英語と世界史を担当しています!この記事がみなさんの参考になることを願っています!