こんにちは、ポケット予備校です!
今回の記事では、理系の東大受験生なら悩む人も多いであろう、理科一類の理科二類の違いを実際に悩んだことも踏まえて、紹介していきます!
違いは大きく以下の4点が挙げられます。
1 入試難易度
これが最も大事かもしれませんが、理科一類の理科二類では、少しだけ入試難易度が違います。年にもよりますが、理科一類の方が5〜10点ほど合格者最低点が高いです。この5〜10点は、1点を争う東大入試においては非常に大きいでしょう。
定員を見てると理一の方が2倍くらいだし、倍率も理一の2.5倍に対して、理二は3.5倍なので、感覚的には理一の方が簡単そうですが、最低点が高いので要注意です。
あくまで噂ですが、科類によって採点基準が違うということを聞いたことがあるので、もしかするとその影響もあるかもしれません。
しかし、オープンや実戦の点数を見ていると、理科二類なら200位(定員は500人強)ぐらいなのに対して、理科一類なら800位(定員は1000人強)で割とギリギリだったので、理科一類の方が受験者のレベルが高いかもしれません。
15年ほど前のドラゴン桜では、東大を目指すなら理一だと言われていましたが、現在ではそうでもないかもしれないですね。
ただ、理科二類の方が容易かもしれないという情報はみんなが知っているので、急遽理科二類に志望変更する人が多いのは事実なので、結局のところは分かりません。
2 必修科目
前期に駒場で受ける授業の内容も少しだけ違います。
3 進振り先でも紹介しますが、理一は工学部等の物理数学系に、理二は農学部等の生物化学系に進学することが多いです。そのため、必修科目も少しだけ異なってきます。
高校での生物にあたる生命科学は理二だと1年生の間、1年間学びますが、理一は2年の夏学期だけといった感じで生物の比重が異なります。
同様に、理二は1年の夏学期に化学熱力学という授業名で高校物理の熱力学を学ぶのですが、理一は熱力学という授業名で学びます。後者の方がより物理の要素が大きいと聞きました。
また、実験も理科二類は生命科学実験と言って、カエルの解剖などをする授業があるのですが、理科一類にはないです。
形上の違いはこの3点くらいですが、数学は授業名こそは同じですが、スピード、難易度も異なります。これは僕のクラスが遅かったかもしれないのですが、秋学期の数学の新規の内容を理科一類の友達に質問すると、それは夏学期にやったと言われたことがあります。科目の難易度は教員によって、本当に違うので、これも影響があるかもしれません。
3 進振り先
駒場での2年間を終えたあと、後期専門課程に進むのですが、そのとき、全ての東大生が経験するのが進学振り分け(通称・進振り)です。
これを目的に理科一類と理科二類が分かれていますから、大きく異なります。
まず、進振りとは前期での2年での成績で後期の学部が決まるという東大独自のシステムです。実質的には2年の夏休みまでの成績で決まります(なので1年の夏学期の成績は非常に大切です!)。
理系なら75点が平均点、80点あればかなりすごいという感じです。90点などとなると、友達に1人いるかいないかのレベルです。
巷では、理科二類は進振りの幅があるというデマがよく流れてますね。(私はこれに騙されました)各サイトなどを見ると、理一は工学部、理学部に、理二は農学部、薬学部、理学部に多いというような表現を見ますが、これは表現通りに多いだけで、行きやすさのお話ではありません。
特に薬学部に行きたい方は要注意です。薬学部は理二からだと、例年70点代後半から80点ほどが必要ですが、理科一類だと底点割れしている(定員より志望者が少なく、進級条件さえ満たせば誰でもいける)年もあります。工学部は表記通り、理一からが圧倒的に行きやすいです。
私が進振りの際に希望していた工学部のとある学科は、理一からだと70点後半で行けるのですが、理二からだと85点とかでかなり差があります。理学部は理一と理二でほとんど変わりません。農学部は他の学部と違い、点数より取得単位数を重視するので、こちらも理一、理二で変わりません。
他に、関係する人は少ないかもしれませんが、医学部は理科二類からの方がある程度は行きやすいですが、90点弱必要なので、どちらにしろいばらの道です。友達で理二→医学部がいますが、バイト、サークルをほぼせず、勉強をずっとしていたので、ある程度大学生活の楽しみを削らなければならないかもしれません。
まとめると、理一からは工学部、薬学部に有利、理二からは医学部に有利です。これはついこの前進振りを終えた私が言ってるので、どんなサイトよりも確かです。
4 クラス構成
東大入学後、まず最初に触れ合うことになるのが通称・同クラ(おなくら)、ようはクラスメイトです。理系は理科一類のみのクラスと、理科二類理科三類の混合クラスの2種類に分かれます。
クラスは合格後に選択する第二外国語によって分かれて、1クラス30人〜35人が多いです。ここでのクラス運は駒場での2年間の充実度に大きく影響するので、非常に重要です。
すでに述べたように、理科二類は天下の理科三類と同じクラスになるので、東大生ですらなかなか触れ合う機会のない理科三類の人と仲良くなれるわけですね。1つのクラスに理三生は5人前後います。
私のクラスには理科三類に推薦で入学した方が2人もいて、とても刺激的でした。
クラス構成で次に大きく異なるのが、女子の数です。東大全体で18%と言われる中で、理科一類は8%前後ですので、理科一類のみのクラスは1クラス2人〜4人程度です。語学によっては、0人のところもあるそうです。
一方、理科二類、理科三類のクラスは1クラスに6〜8人が多いようです。もちろん、こちらも語学によりますが、理科一類のみのクラスよりは多くなっています。女子の数は、女子受験生にはかなり必要な判断基準になってくるのではないかと思います。
まとめ
合格の難易度の点からは、かなり余裕がある人以外は理二が安全ではあります。浪人生であったりして、落ちるわけにはいかないために理二にする人もいるそうです。
進振りでは、理二から有利なのは医学部くらいなので、理一にするのが良いでしょう。クラス構成は、どこのクラスになっても結局はクラスメイトと仲良くなりますし、楽しいので、気にしなくても大丈夫です。
とりあえず東大に入りたいなら、理二、進振りも余裕を見たいなら理一でしょうか。
私は、男子校出身で、男ばっかも嫌だなあという気持ちと、理科二類の進振りの幅があるという嘘に騙されて理二を受けましたが、特に後悔などはないので、そこまで大きな問題ではないかもしれませんが、この記事が参考になれば幸いです。
東大理系、2019年の入学で、ポケット予備校では化学を担当しています!この記事がみなさんの参考になることを願っています!