みなさんこんにちは ポケット予備校です。
「東大入試ってどれくらい取ればいいんだろう?」
「目標点はどのくらいにすべき?」
そんな疑問を持つ東大受験生も多いはず。そこで今回は、東大入試の合格最低点・平均点・目標点を解説します。
ぜひ、目標を立てる参考にしてください!
東大入試の基本情報
まず、点数の感覚をつかむために、東大入試の基本情報をおさらいしましょう。
東大入試は、1次試験(配点110点:共通テストの900点満点を110点に圧縮)と、2次試験(配点440点)との合計、550点満点の試験です。
それでは基本情報が分かったところで、まずは合格最低点と平均点から見ていきましょう。
合格最低点と平均点はこれくらい
各科類ごとに解説します。
(点数の情報は、河合塾による東京大学入試情報2022東京大学 合格最低点・平均点の推移を参考にしています)
合格最低点
東大文系の過去5年の合格最低点はこんな感じです。
文系
合格最低点 | 文科1類 | 文科2類 | 文科3類 |
2021年 | 335 | 338 | 337 |
2020年 | 344 | 338 | 339 |
2019年 | 352 | 358 | 343 |
2018年 | 355 | 351 | 344 |
2017年 | 355 | 349 | 344 |
分析
2021年は全体的に最低点が下がったものの、やはり総合点の61%(335点)〜65%(357点)くらいが合格最低点のラインだと言えます。
さらに、文1、文2、文3の点数関係も、最近ははっきりしなくなってきました。
2018年までは長らく、文1>文2>文3という順番に最低点が高く、文1が文系の最高峰として君臨していました。
しかし2019年には文2の最低点が文1を上回り、文2がトップに立ち、高い順に文2>文1>文3となりました。
そうかと思えば2020年には文2の最低点が一番低い、という状況になり、高い順に文1>文3>文2となりました。
そして2021年にはまさかの文1の最低点が一番低くなり、高い順に文2>文3>文1となりました。
このように、文系では合格最低点の順番を読むのが難しくなってきています。これについては、この記事の後半の見出し文系の受験生へ どの科類に出願したらいいの?をご覧ください。
理系
合格最低点 | 理科1類 | 理科2類 | 理科3類 |
2021年 | 333 | 314 | 376 |
2020年 | 321 | 313 | 386 |
2019年 | 335 | 330 | 385 |
2018年 | 319 | 311 | 392 |
2017年 | 347 | 335 | 408 |
分析
文系とは違い、理系では理1、理2、理3の点数関係がとてもくっきり見えます。一貫して、合格最低点は高い順に理3>理1>理2という順番が続いています。
理1と理2は、総合点で6割(330点)前後がボーダーであることが多いですね。年によっては5割台という年もあります。
そして理3はずば抜けた点数を記録しており、400点に近いような点数が合格最低点として続いています。総合点で7割(385点)以上とるのはほぼ絶対、という世界です。
理1、理2と比べると、60点を超えるような点差がある年も多いですね。この60点というのは理科の1科目分の点数ですので、理3の人は東大入試で1科目受けなくても他の科類なら受かる、ということですね。他の東大生から、「宇宙人」と呼ばれるのも納得です。
合格平均点
文系
合格平均点 | 文科1類 | 文科2類 | 文科3類 |
2021年 | 361 | 362 | 357 |
2020年 | 374 | 362 | 359 |
2019年 | 379 | 379 | 361 |
2018年 | 381 | 373 | 364 |
2017年 | 381 | 374 | 365 |
分析
文1、文2は370点〜380点くらいの年が多く、文3は360点前後が年が多い、というイメージですね。
合格最低点との差は+20点〜30点であることが多いですね。
2021年は文1の平均点がかなり下がり、文1人気がかつてほどではないことが示唆されているのかな、とも思われます。
理系
合格平均点 | 理科1類 | 理科2類 | 理科3類 |
2021年 | 361 | 339 | 406 |
2020年 | 353 | 337 | 414 |
2019年 | 363 | 353 | 411 |
2018年 | 352 | 352 | 418 |
2017年 | 378 | 363 | 433 |
分析
全体的に点数が上がった2017年を除くと、理1は350点〜360点くらい、理2は340点〜350点くらい、理3は400点越え、という年が多いイメージですね。
平均で400点を超えてくる集団、それが理3ということですね。
合格最低点との点差は、+30点以上、という年が多いですね。
目標点は?ー 前年度の平均点を目標にしよう!
まず最初に言いたいことは、目標点は、もちろん高ければ高いほうが良いです。それはもちろん、当日失敗したときのクッションが大きいからです(=より安全)。
また、自分の目標があって自分はそれでいく、という受験生はそれで全く問題ありません。結局のところ、目標は受験生自身が納得できるものを設定するのがいいからです。
ただ、そうはいっても、目標点の目安が欲しい、という受験生が多いと思います。そこで、ポケット予備校によるオススメの目標点を解説します。
ズバリ、目標点は、前年度の平均点くらいに設定するのがオススメです。
つまり、2022年の東大入試なら、
科類 | オススメの目標点 (≒前年度の平均点) |
文1 | 360点 |
文2 | 360点〜365点 |
文3 | 355点〜360点 |
理1 | 360点 |
理2 | 340点 |
理3 | 405点 |
くらいです。これくらい取れば、合格はかなり安全でしょう。
この目標設定がオススメな2つの理由
前年度の平均点を目標点にすることをオススメする理由は2つあります。
1 失敗のクッションがあり、かなり安全
平均点を目標にしたら、多くの年で、文系なら合格最低点まで+20点〜25点くらい、理系なら+30点以上の余裕があります。模試などで実感しているかもしれませんが、東大入試で20点、30点の余裕があるというのはかなり大きいです。
これだけの余裕を持っておいたら、本番で多少失敗しても、クッションがあります。余裕を大きく持てば、より安全ということです。
2 目標を高めに設定したほうが失敗してもいい点数が期待できる
目標を高くしておくと、達成できなくても高得点を期待できます。
簡単に言えば、例えば、50点を目標にして50点をとるより、80点を目標に実力を上げて、それを達成できなくても70点を取る方が高得点ですよね?
目標を高くすると、実力のゴールが変わります。そうやって実力を上げる過程で、低い目標を超えてしまう事はよくあります。こうして、高い点数を目標にした方が、仮に達成できなくても、高得点を期待できるのです。
共通テストは9割を目標に!
共通テストの目標点は9割が良いでしょう。
理由は、実際に合格者のほとんどが9割くらい、もしくはそれ以上を1次試験で取っているからです。
とはいえ、例年通りだと東大入試では、
共通テスト:2次試験=1:4
なので、共通テストにたくさん時間を使うのは良い戦略ではありません。
9割くらい取れれば合格には十分ですので、例えば850点/900点のような、極端に高い点数を目標にしなくても大丈夫です。
最低点を目標点にするのはどう?
「合格すればいいんだから、最低点を目標にしたらいいんじゃない?」
「自分は最低点を取れればそれで十分だよ」
ここまで読んで、そう思った受験生もいるでしょう。
ただ、編集者としては、最低点を目標点にするのはリスクが高いと考えます。
理由は2つあります。
1 本番でちょっとでも失敗すると落ちてしまう
最低点を目標点にすれば受かる、という考えは、本番でミスしない、という前提で話をしています。本番ではすべて計画通りにいき、想定通りに最低点をとれる、という考え方です。
でも、実際には、本番でなにかしらミスをする、ということは十分に起こり得ます。どんな目標の受験生でも、すべて想定通りにいった、という人はほとんどいないと思います。
最低点を目標点にすると、本番で少しでもミスすると落ちてしまいます。ちょっとミスしても大丈夫な余裕を持つのが理想の目標点です。
2 最低点では受からないかもしれない
これは、前年度の最低点では次の年の入試には受からないかもしれない、ということです。今年の最低点が前年度の最低点より高かったら、目標のとおりに点をとっても落ちてしまいます。
東大では、このような最低点が大きく上がる/下がるということがよくあります。
例えば、文系では2015年→2016年がその例です。文科1類では325点(2015年)→352点(2016年)と最低点が上がりました。
もしあなたが2016年に文科1類を受けていたとして、2015年の最低点を目標にしていたら、その通りに325点をとっても落ちてしまいます。
理系では、2016年→2017年で同じようなことが起こっています。
このようなことがあるので、最低点で合格する、という考えはあまりオススメできません。
確実な合格のためには、やはり合格に余裕をもった目標点をオススメします。
文系の受験生へ どの科類に出願したらいいの?
このコーナーは、ここ最近、最低点の順番が定まらない文系科類を志望する受験生向けのコーナーです。
ここ2年、続けて文1・文2・文3のあいだの点数関係が変動していて、さらに来年からは共通テストも始まり、ますます文1・文2・文3のあいだの点数関係を読みにくくなっています。
このような状況の中で、文系を志望する受験生は、どの科類を選ぼうか悩むと思います。
特に、「本当は法学を勉強したいけど、文1は合格最低点が一番高いから、より合格最低点の低い文3に出願しようかな・・・」といった悩みを持つ受験生は迷うと思います。
ただ昨今の状況を見ると、もはや今や、最低点を基準に出願を考えるのは難しくなってくると思います。
編集者の考えとしては、こういう状況だからこそ、自分の学びたい分野で選ぶのが良いと思います。
結局、どの科類が高いか低いか分かんない、という状況では、最低点で考えるとどの科類を選ぶのも同じような条件になります。そうなると、純粋に興味で選ぶのが良いのではないでしょうか。
東大には進振り制度はありますが、やはり後期過程での学部と対応関係のある科類に入っておくとその学部に進むのがすごく楽です。
もしどの学問を学びたいか、興味があるか、後期はどこに行きたいか、ある程度決まっているのであれば、その興味で選べばいいと思います。
数年前までは、法学には特に興味はないけど文1が一番難しいから文1にする、といったヨコシマな考えで受験する人も多かったです(編集者もそうでした)。
しかし、今のように科類ごとに序列関係のない状況はむしろ本当に学びたいことで選びやすくなっているので、ある意味、良い状況なのではないかとも思います。
まとめ
今回は、東大入試の合格最低点や目標点を解説しました。
目標点については、
- 最低点までクッションがあって安全
- 目標を高くすると達成できなくても高得点が期待できる
という理由から、前年度の平均点を目標にするのがオススメです。
余裕をもった目標を立てて、余裕をもって確実に合格しましょう!
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