【自然な発想で解ける!】2020年東大古文の解答例&徹底解説!【東大生の過去問解説】

この記事では、現役東大生が2020年度の東京大学入試古文の問題について解説を行います。

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2020年度東大古文の講評

2020年度東大古文の出典は『春日権現験記』です。問題の前書き文にあるように、春日明神(藤原氏の氏神)の霊験に関する話を集めた作品で、鎌倉時代の絵巻物です。大学入試においては、それほど頻繁に出題されません。

さて、この年度の古文の難易度ですが、

例年と比べて極めて易化

しています。実は、この前年の2019年度の東大古文も極めて難易度が低く、二年続けて「極めて易化」という評価になりました。ただ、易しいと言っても、記述で必要とされるポイントを抜かしてしまうと、思いもかけない失点を犯してしまい、他の受験生と差が付けられてしまいます。

東大古文で重要なのは「古文の基本的な単語・文法に注目しつつ、確実に記述ポイントを押さえて解答する」というものなのですが、この年度においてもこの原則に忠実に解答を行うことが求められていたと思います。

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本文の要約

興福寺の壹和僧都は修行・学問ともに優れた人物であった。壹和は維摩の講師の座につくことを望んでいたが、別の人物に先を越されてしまった。その恨みを堪え難く思った壹和は、慣れ親しんだ興福寺を離れ、修行の旅に出ることにした。

熱田神宮に参詣し、法施を重ねていると、普通でない様子の巫女が現れ、「お前は恨みを持っていて、寺を離れて彷徨っている。早く興福寺に戻るべきだ」と言った。壹和がそのような恨みなど持っていない、と言って否定すると、巫女は今後講師となる4人の順序を教え、次の講師の座は壹和であることは決まっており、前世からの導きである、と伝え、さらにありがたいお言葉を壹和に伝えた。

壹和はこの上なくありがたく思い、涙を抑えつつ興福寺に戻った。

その後、実際に壹和は講師の座についた上、4人の講師の順序はあの神託の通りだったという。

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設問の解答・解説

解答

イ:普通の様子ではない巫女が来て、壹和に向かって言うには

ウ:人の習性として、恨みの気持ちには耐えがたいものなので

エ:そこでもまた恨めしい人がいたならば、そこでどこに行くのか

解説

傍線部イ・ウ・エを現代語訳する問題。各傍線部とも訳すのに注意が必要な古文単語があり、それを文章の流れに合うようにうまく現代語訳する

傍線部イ。「けしかる」は基本単語で、「異様な、普通ではない」という意味。これさえ知っていれば正解できてしまう問題。

傍線部ウ。「習ひ」は「性質」程度の意味の単語。「習性」という単語からもこの意味を連想してほしい。「堪へぬ」は「我慢できない、耐えられない」と訳す。「なれば」は「已然形+ば」の形で因果を表す。

傍線部エ。「つらき」は第一義では「薄情な」という意味の形容詞だが、ここでは直前の「それもまた」が「そこにもまた(同様に)」と訳せることに注目する。「もともといた興福寺で祥延という恨みに思う人がいて、陸奥国に行ってもそこにもまた同様に〜」という話の流れに合わせて、「つらき」は「恨めしい」と訳すのが最適だろう。「いづちか〜ん」で「どこに〜しようか」という疑問・反語の形である。ここでは疑問の形で訳してみた。

解答

維摩の講師の座を延に取られた恨み心を、前世の宿縁だと考えて抑え落ち着けた。

解説

傍線部アについて、「何をどのようにしたのか」を説明する問題。

まずは傍線部アを訳してみる。「のどむ」は難しい単語だが、「のどかなり」が動詞化した言葉で、「落ち着かせる」という意味。ただ、この意味を知らなくても、前後を訳してみると「(思ひのどむ)〜したけれど、その恨みを抑え耐え難く思われたので」となるので、「思ひのどむ」で「恨みを抑える=心を安定させる」程度の意味だと推測してほしい。

次に、「どのように」「思い心を落ち着かせた」のか考えると、直前を訳して「前世からの宿縁として」思ったのである。ちなみに、古文の世界では現世で起こることは前世からの結果、つまり運命として予め決まっている、と考えられていたことを覚えておいてほしい。

最後に、問題の指示通り「何を」「前世からの宿縁として思い心を落ち着かせた」のか考える。これは前文に記されている。維摩の講師の座を望んでいたのに、それを祥延という人物に先を越されてしまったことである。に対して恨み心を持っていたことも踏まえる。以上をまとめる。

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解答

自分は祥延に恨みの心を持たず、本寺に戻る意思もなく、巫女の意見は的外れだという主張。

解説

傍線部オについて、壹和の巫女に対する主張を説明する問題。

まずは傍線部オを訳すと、「あるはずもないことだ、どうしてこのように(あなたは言うのか)」となる。

この部分までの巫女と壹和の会話をまとめると、巫女が「壹和は恨みの心を持っているのである」「急いで本寺(興福寺)に戻るべきだ」と主張しているのに対し、この二点について壹和は「あるはずもないことだ」と反論しているのである。これを踏まえて解答を作る。

解答

壹和の祥延を恨む心は、いくら隠そうとしてもお見通しであるということ。

解説

傍線部カの歌占に示されているのはどのようなことか、説明する問題。

まずは傍線部カを現代語訳する。「隠そうとしても隠せないものは、蛍の身から溢れ出る思いであるなあ」となる。何を「隠そう」としているのかというと、「溢れ出る思い」、つまり「祥延を恨む心」である。また「夏虫」は古文の世界では「蛍」または「セミ」をさすが、ここでは蛍が適当であろう。つまり、蛍と壹和が重ねられており、蛍が発する光が隠しきれないように、壹和も祥延を恨む心を隠しきれていない、ということだ。以上をまとめる。

解答

今後の維摩の講師となる人物の順序は予め決まっており、次は壹和の番である。

解説

傍線部キにある「神託」の内容を答える問題。傍線部の直前に「四人の次第」、つまり「四人の順番」とあるが、これは15行目にある、帝釈宮の金札に維摩の講師の順序が書かれており、「祥延・壹和・喜操・観理」という順番である、という部分に対応している。そして、壹和は無事、その通り次の講師の座につくことができたのだ。以上をまとめる。

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