皆さんこんにちは、ポケット予備校です!
「共通テストはどう変わるの?」
「対策はこれまでとどう変えればいいの?」
こういった疑問を持っている生徒も多いのではないかと思います。
今回は、共通テストの日本史について全体像、それから大問についてもピックアップして研究していきたいと思います。
プレテストから予想!日本史は易化する!
プレテストとは、共通テストの傾向で作られた試験用のテストです。共通テストと同じ団体が作った問題で、このプレテストが一番共通テストの傾向に近いと考えることができます。
プレテストは2回実施されており、2回目は1回目を踏まえた修正版なので2回目の方が本番につながりやすいと考えられますが、1回目は出題者にとっても初めての経験なので出題者の意図が如実に出ていると捉え、1回目も含めて研究していきたいと思います。
2回のプレテストを見る限り、共通テストでは問題自体の外観自体はそれほど変わらないものの出題傾向が大きく変わることが予想されます。挙げられるポイントは大きく分けて2つあります。
- 資料読み取り問題が飛躍的に増加する。
- それに比例するようにいわゆる知識問題が激減する。
- 時代の流れの理解度が重視されるようになった。
2つのプレテストにおける違いも踏まえながら、センター試験と比較して指摘したポイント一つ一つについて解説していきたいと思います。
資料問題が飛躍的に増加する
これはセンター日本史と共通試験の日本史を大きく分けると考えられる要素の一つであり共通テストの日本史の肝です。この要素は2回のプレテストでほとんど変わることなく重要視されています。
肝であるということから分かる通り共通テストの日本史で得点を重ねていくためにはまず間違いなく注意を払わなければならない分野です。
資料を用いた設問の作成はセンター試験でも初期から作られ、近年では読み取りの問題も増加してきました。
しかし、センター試験での資料というのはあくまでも設問を導くためのツールという傾向が強く、資料読み取りがメインではありませんでした。私自身現役時代には資料をほとんど読むことなく下線部の前後を読んだだけで設問に飛び解いていました。
それができなくなるので時間的な余裕はセンター試験ほどは生まれないのではないかと思います。
センターでは数問しか見られなかったものが全体を通したテーマにまで拡充されたというイメージを持って居れば大丈夫です。
資料問題に比例するようにいわゆる知識問題が激減する
センター試験では毎年複数問題出題された穴埋めの知識問題でしたが1回目のプレテストでは知識問題がほぼ消滅しました。
2回目のプレテストでは流石に復活しましたがその数はセンター試験と比較すると激減しました。共通試験自体がセンター試験が知識問題になっており思考力を伴っていないとして生まれた経緯があるので本番でもこの傾向は変わらないと思います。
ただもちろん知識が不要になったわけではないのでこの認識は間違えないように注意してください。
センター試験で問われていた語彙問題のほとんどは私大、国公立を問わず受験生にとっては基本中の基本なのできちんと知っておく必要があります。
時代の流れの理解が重視されるようになった
これも資料読み取りと同じく2回のプレテストにおいてほとんど変わることなく出題されているので重視しなければならない要素です。
センター試験でも事象の順番を答える設問が出題されていました。共通試験でも同様の問題が出題されるとともにより大きなくくりとして古代、中世、近世、近代、現代などのように、一つの時代がどのようなものであったか、各時代を区分するものなのは何かを理解する必要があります。
どの程度まで時代を把握している必要があるかは2回のプレテストだけでは判断できませんがコアとなる要素はきちんと押さえて置きましょう。(例:中世ならば封建制の起こり)
特に個別試験で日本史を使って論述が問われるような大学の受験を考えている人は時代を意識することは必須の感覚です。一石二鳥なので共通試験のためだからと狭く考えるのではなく2次試験も意識しながら勉強していきましょう。
とりわけ東大を受ける人は時代の感覚なくして論述攻略は難しいので特に注意しましょう。
共通テスト日本史を徹底解説!
少し触れましたが日本史は大問ごとに大きく異なる国語や英語とは違い問題全体を見て対策を立てた方が効率的です。そのためにまずは全体について解説をし、大問も全てについて解説するのではなくピックアップして解説していきたいと思います。
全体 難易度:やや易〜ふつう
最初に述べた通り共通テストでは資料の読み取りや、全体的な歴史の流れの理解が大事です。
しかし、これだけを聞くとあまりにアバウトすぎてどう対応していいのかが想像しづらいと思うのでもう少し詳しく説明していきたいと思います。
資料問題と聞くと身構えてしまう人も多いかと思いますが、共通テストでの資料問題は国公立2次試験のような読み取ることが困難な資料が用いられるわけではなく、基本的には読みやすい古文が使われるイメージを持ってもらえれば大丈夫だと思います。古文が苦手な人もいると思いますし私自身古文は苦手でしたが、センターとは違い基本的にわからない単語ほぼ全てに注がついているので読めないということはほぼないと思います。
図や絵が使われる場合もこれからあるでしょうし、実際に2回目のプレテストでは絵も用いられましたがその時も注がついていますし、問題に重要なところは強調されているのでそれほど心配しなくても大丈夫です。
ここまでの説明で資料問題に対する不安がある程度拭えたのではないかと思います。
しかし、プレテストは新たなテストなのでまだ不安が拭えないのではないかと思います。
なので次にどうして易化すると考えたかを説明していきたいと思います。
そもそも資料問題とは暗記に偏りがちとの批判からその場で受験生に考察をさせる問題を作らなければならなくなったことから生まれた問題だと思われます。
その結果それほど知識がなくても、極端に言えば全くなくてもその場で考えて答えられる問題が登場しました。語彙問題などは知らなければ当て感で答えるしかないかとを考えてもらえれば大きな変化だと理解していただけると思います。
きちんと読めばわかる問題が出現した、そして極端に難しい語彙問題が出る可能性がかなり低くなった。これらのことを総合的に評価してこれまでのセンター試験と比べて易化する可能性が高いと判断しました。
当然のことながら知識は必要なので注意してください。
古代〜近世
出題の可能性という観点から大門別ではなく範囲別に研究していきます。
この時代で注目しなければならないのは資料問題です。理由は簡単で、資料が少ないからです。近代、現代というのは資料が豊富にあるので考察よりも知識が要求される場合が多いのです。逆に古代、中世は資料が少ないので考察の余地が残されていまし、出題者側も出題しやすいのです。
事実プレテストでも古代、中世、近世に所謂資料読解問題が集中していて、近世、近代になるにつれて資料考察よりも知識を要求する問題が増えていきます。資料を使った問題でも知識がないと解けない問題が多かったです。
資料が少ないということは少ない資料に触れていれば触れているほど有利になるということです。資料集を暇なときなどに読むようにしておきましょう。がっつり読む必要はありませんが図が大きく示されているところや注がつけられているところなどに注目しながら読んでいきましょう。資料に頻繁に触れて慣れているのといないのでは大きな違いを生みます。
近代〜現代
近代、現代の問題はこれまでのセンター試験と形式は変わるものの求められているものは基本的に変わりません。注目するとすれば2回目のプレテスト最後の問題で回答が複数存在するものがありましたがこれは特筆して対策を立てるべきものではありません。
センター試験と同じ対策というのはつまり近世以前と比べて知識の比重が大きくなるということです。
私大ほど細かく覚える必要はありませんが所謂センターレベルと呼ばれるものからもう一歩踏み込んで勉強するぐらいの意識でいればいいと思います。
共通テストはこう勉強すべし!
第一歩
歴史勉強の全ての基本は教科書にあります。教科書はわかりにくいと馬鹿にする先生もいますが、大きな間違いです。詳説世界史、詳説日本史どちらとも日本の歴史研究の第一線の先生が書かれた本です。
一文一文に最大限の情報が詰め込まれています。大事だと思うところは、マーカーを引きながら読みましょう。特に2次試験で論述を問われる人は一文一文噛み締めながら読んでください。教科書を読まずに論述問題を解き始めてはいけないとさえ言えると思います。
もちろんここで対策する相手は共通テストなので論述はそれほど意識せずとも良いです。
大事な一歩です。時間がある2年生以下はもちろんのこと時間的に余裕のない3年生もぜひ一読してほしいと思います。
そもそも教科書から出題されるのですから教科書を見ずに参考書を見るというのがおかしいと気づいてください。
第二歩
ここからようやく問題集に入っても良いです。ここまでは本当に切羽詰まっていない限り問題集には入らないでください。
そして問題集をやるときの注意点です。問題集は最低三週しろと言われますが私は七周以上して欲しいと思います。七周以上してほぼ完璧だと思ったらその問題は三ヶ月に一回見るぐらいでいいです。
七周は多いだろと思うかもしれませんが、一週間で一周出来ますし歴史の問題集の多くは赤シートで隠してできるのでそれほど労力を使わないはずです。漢字で気になるものの筆記も1回目と7回目で大丈夫です。7回目でも書けないときは繰り返し練習しましょう。
七周してそれでもできない問題はなんらかの形で印をつけ問題集の新しい問題を始める前に見てわからなかったら確認する習慣をつけてください。こうすることで記憶の奥底に落とし込んでいきます。
第三歩
問題集を7割以上といたらようやく過去問を解いてみましょう。過去問は深く復習するよりも間違えた部分をなぜ間違えたかを考えるぐらいでいいと思います。ただ過去問は大事にしましょう。
センター模試などもありますが作問のプロである大学入試センターが一年かけて作ったものと予備校講師が半年か三ヶ月ごとに作っているものでは設問の質が違います。
試験が変わるということで身構えてしまうのは仕方ないことですし、身構えるなという方が無理だと思います。ですが、マークが論述に変わるわけではありません。基本的にこれまでのセンター試験のための準備を十分にしてあれば容易に高得点が取れます。肩の力を抜いてやりましょう!
おすすめ参考書!
時代と流れで覚える日本史B
参考書と聞いてまず一問一答から始める生徒が多いですが、一問一答はぶつ切りなのでまずは流れの中で覚えられる参考書を使いましょう。
センター過去問はこちら
一問一答も使っていいですが決してそれだけにならないようにしてください。
参考書は多くありますがベースは教科書であることは決して忘れないでください。
論述で使える参考書は他にもまだまだあるので今後随時発表していきます。
まとめ
今回は共通テストの日本史の研究、対策、おすすめの参考書について解説してきました。
まとめると次のとおりです。
- 資料読み取り問題が飛躍的に増加する。
- それに比例するように所謂知識問題が激減する。
- 時代の流れの理解度が重視されるようになった。
- 教科書が歴史勉強の基本である。
- 流れを意識しながら用語は覚えよう。
- センターで得点できる実力があれば十分高得点が取れる。
現状では集中するのが大変だと思いますが、ピンチをチャンスと捉えて共通テストにベストの状態に臨めるようにしていきましょう!
東大文系、2019年入学で、ポケット予備校では日本史を担当しています!この記事がみなさんの参考になることを願っています!