東大現代文の傾向や対策を現役東大生が徹底解説!【過去問が1番の対策です】参考書も紹介!

みなさんこんにちは  ポケット予備校です!

「現代文が一番勉強しづらいんだよね・・・」

「あんなの対策のしようがないんじゃない?」

そんなふうに思ってる人も多いのではないでしょうか?

しかし、東大現代文にはちゃんとした対策法があります。それは、過去問を使った、論理力を高める勉強です。

今回は、そんな東大現代文について、入試本番で国語82点をとった現役東大生の編集者が、押さえておきたい基本情報から勉強法まで詳しく解説していきます!

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東大現代文の基本情報

まず、東大入試の中の東大現代文の立ち位置について説明します。

現代文は、理系文系ともに、入試1日目の最初の教科である国語の中の1科目です。2次試験はこの国語からスタートします。

まずは東大国語について

まず、国語一般を知ってから現代文を理解しましょう。東大は現代文・古文・漢文の配点を公表していませんが、予備校の模試などでは以下のような配点だと考えられています。

大問内容配点(文系・予想)配点(理系・予想)
現代文(評論)40点40点
古文30点20点
漢文30点20点
現代文(随筆)20点なし

文系は試験時間は150分です。2時間半もあると聞くと長く感じますが、いざ試験を解いてみると多くの人は「時間が足りない😓」となると思います。時間制約は厳しめです

理系は試験時間は100分です。こちらも同じく、時間制約は厳しく感じると思います

東大現代文の出題形式・配点

さて、それでは現代文についてです。近年は次のような出題形式が続いています。また、配点は予備校などで予想されている一例です。

第1問(文理共通)

設問配点(予想)
(1)読解問題7点
(2)読解問題7点
(3)読解問題7点
(4)120字問題13点
(5)漢字問題6点(2×3)

2017年から第1問の読解問題が5問から4問に減ったことで、1問あたりの配点が大きくなったと考えられています。特に影響が大きいのが漢字で、1つあたり2点だと予想されています。漢字対策も重要になっています

第4問(文系のみ)

設問配点(予想)
(1)読解問題5点
(2)読解問題5点
(3)読解問題5点
(4)読解問題5点

第4問については、全て一律5点だと考えられています。どの問題も字数が同じなので、ある程度正しい予想だと思います。

東大現代文の難易度

結論からいうと、難しいです

「東大の試験なんだから当たり前だよな〜」と思う人、では、具体的に何が難しいと思いますか?

文章レベルが高いとか?

いいえ、実は、文章自体は、そこまで難しいものではありません。「内容が高度すぎて意味不明、乙」みたいなことはなくて、読めば内容としては割とすぐに理解できる、という感じです。「言ってることは分かる」と言った感じです。

では何が難しいかというと、本当に難しいのは問題を解くことです

後の見出しで詳しく解説しますが、東大現代文で問われているのは論理的読解力論理的表現力の2つですようは、あなたは論理的に考えれますか?ということが問われています

そして、150分という時間制限の中で、あの長さの文章を論理的に捉えて表現するのが難しいのです

実のところ、東大の問題は、ただ単にそれっぽい題材の文章をそれっぽく問題として出しているのではありません。ちゃんと論理的思考を測る問題になっています。

なので、受験生としても、論理的に読んで論理的に表現する訓練をしないといけません。そのための勉強法は下の見出しで解説しています。

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時間配分と解く順番

文系

国語の試験が全体で150分あり、配点で単純計算すると時間配分は次のようになります。

第1問:50分
第2問:37分
第3問:37分
第4問:25分

しかし、第1問を50分というのはかなりきついです。また、古文漢文は思考量が少なく現代文より解きやすいことが多いので、ここを時間短縮して、現代文にもう少し時間を割きたいところです。

ということで、ポケット予備校では一例として、次のような時間配分をオススメします。

オススメの時間配分

大問時間配分
60分
30分
30分
30分
全体150分

解く順番としては、これも自分がしっくりくる順番でいいですが、ポケット予備校のオススメは次の順番です。

第1問(漢字問題のみ)→第3問(漢文)→第2問(古文)→第1問(現代文・評論)→第4問(現代文・随筆)

まず漢字問題を解いて緊張をほぐして試験を始めます。2次試験の最初を(簡単な)漢字問題でスタートすると、案外、心が軽くなりやすいです。

次に、時間のかかりにくい漢文古文をさっさと解きます。

そして、本丸の現代文の第1問を解きます。第4問は文章量も少なく、120字問題のような重い問題もないので、もし残り時間が少なくなっても急いで解き切ることができます。

なお、もちろんですが、一番いいのは自分に合うものです。なので、いろんな順番や時間配分を試しながら、自分に合ったものを探してください

理系

国語全体が100分で、配点で単純計算すると時間配分は次のようになります。

第1問:50分
第2問:25分
第3問:25分

しかしながら、第1問を50分というのはかなりきつく、また、古文漢文は思考量が少なく現代文より解きやすいことが多いので、ここを時間短縮して、現代文にもう少し時間を割きたいところです。

ということで、ポケット予備校では一例として、次のような時間配分をオススメします。

大問時間配分
60分
20分
20分
全体150分

コラム:回答欄って1行に何文字くらい?

東大の国語では120字問題以外は基本的に回答字数が決められていません。その代わり、縦長の回答欄が用意されています。

なので、1行に何文字書いたらいいの?と思う人も多いと思います。

結論を言えば、読める範囲なら何文字でもいいです。もちろん自分が読める、ではなくて、採点官が読める、であるのは当然ですね。

ただ、そうは言っても目安が欲しい、という人もいると思うので目安をあげると1行35字程度が良いのではないでしょうか。40字を超えるとかなりキツキツになる、という感じだと思います。

基本的には要素採点だと思うので、「できるだけ多くの要素を詰め込みたい」という気持ちになるかもしれません。そのために字数も多くなりがちだと思います。たくさん要素を詰め込む、というのは得点を最大化する一つの戦略だとは思います

ただ一方で、字数が多すぎると、読みにくいということの他に、書き直しにくい、ということもあるので、バランスをとって自分の納得する字数を探してみてください。

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東大現代文の傾向と分析

東大現代文で問われていること

東大現代文では、問われていることは常に一貫しています

それが、論理的読解力論理的表現力です

論理的読解力とは、文章を論理的に把握していく力です。言い換えれば、構造的に文章を理解する力です

このような言い方をすると難しく感じますが、ほぐして言えば、類似・対比した内容を理解できるか、因果関係を正しく捉えているか、などといったことです。

東大が出す文章と設問では、この力を測るようにできています。

本当に?と思う方は、こちらの記事で、最新年度の東大入試問題を使って徹底的に解説しているので、気になる方は読んでみてください。いかに東大が論理的な考えを求めているかが分かると思います。

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そして、論理的に読解できたら、それを論理的に表現しないといけません。論理的に表現する、というのは、文章の論理をそのままに表現する、ということです。勝手に論理を解釈して答えたりしない、ということです。

基本的には、論理的な読解ができていれば論理的な表現は自然にできるはずなので、とにかく論理的読解力をつけることが東大現代文では何より大事です

では、その論理的読解力はどのように身につければいいでしょうか?そのもっとも効果的な方法が、過去問を使った精読と演習です。次の見出しで解説します。

東大現代文はキレイな作り

東大現代文では、本文の中の一定範囲の理解、が出題されます。そして、その作りは非常にキレイにできています。基本的に、(1)から順に解いていくことで本文を順に理解できるようになっています

例えば、(1)では第1段落から第4段落の内容の理解を問う、(2)では第5段落から第8段落の理解を問う・・・そして、120字問題で全体の理解を問う、という作りになっています。

とりあえず、(1)(2)(3)はある程度の段落の内容理解を求められ、それを解いて本文を理解した上で(4)の120字問題で全体の趣旨を踏まえて考える問題が出る、という形を知っておいてください。

東大現代文の問題は3パターン(+1)

東大現代文では、論理的読解力と表現力を見るために、基本的には3パターンの問題しか出しません。

それが、

  • どういうことか問題
  • なぜか問題
  • 120字問題

です。これに加えて漢字問題もありますが、読解で大事なのはこの3つです。ちなみに、120字問題も、内容としては、「これはどういうことか?」か、「これはなぜか?」が問われます。

一例として、2020年の東大入試では、次のような出題でした。

2020年の場合

設問問題パターン
(1)なぜか問題
(2)なぜか問題
(3)どういうことか問題
(4)120字問題

そして、この3パターンのそれぞれに回答の型があり、対策の仕方があります。なので、まずは東大現代文はこの3パターンだ、ということを知ることから始めましょう。

それでは、具体的な対策について解説していきます。

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東大現代文の対策

教材は過去問

東大現代文の対策で使うべき教材は、過去問です。その理由は、東大現代文の入試問題は非常に作問レベルが高く、模試や市販の教材などはそのレベルに追いつけていないことが多いからです。

東大現代文のレベルに対策しようと思ったら、東大の過去問を使うしかありません。これが最も効果的な勉強法です。

加えて、当たり前ですが、過去問こそがその大学の傾向ですので、これをしっかりと攻略することが1番の対策です。

それでは過去問を使った具体的な勉強法を解説していきます。

具体的な勉強法

具体的な勉強法は、次の3ステップです。

  1. 問題をパターン別に分ける
  2. 精読する
  3. 演習する

です。

過去問を使ってこれを繰り返すことで、どうしたらいいか分からなかった現代文の実力がグンとつくはずです。

1 問題をパターンに分ける

上の見出しでも言ったように、東大現代文の設問は3つのパターンに分けられます。「どういうことか問題」「なぜか問題」「120字問題」の3つです。パターンによって解き方が違うので、まずはこの3つのパターンに分けます

2 精読

問題をパターンに分けたら、その問題を解くために精読をします。そのやり方はパターンごとにやり方があります。

どういうことか問題

どういうことか問題では、簡潔に本質を言うと、傍線部の言い換えが求められています。どういうことか?と聞かれているのですから、こうである、と答えるわけですが、そのとき、傍線部を同じ内容でより詳しく言い換える、ということです。

なので、このパターンの問題では、まず傍線部を要素ごとに切り分けます。そして、その切り分けた傍線部の1つ1つの要素と類似した内容・部分を探す、という精読をしてください。それをもとに次の演習で言い換えます

なぜか問題

なぜか問題では、簡潔に本質を言うと、因果関係の整理が求められています。なぜか?と聞かれているのですから、〇〇だからと答えるわけですが、それはつまり、因果関係を整理してください、と言うことです。

なので、このパターンの問題では、傍線部に関連する因果関係を整理する、という精読をしてください。それをもとに、次の演習で因果のうち因の部分を記述していきます

120字問題

120字問題も、つまるところ聞かれているのは「どういうことか?」「なぜか?」のどちらかですこれに、「本文全体の趣旨を踏まえて」という条件がついています

よって、このパターンの問題では、基本的には前2つのパターンで精読しながら(類似を探すor因果関係を整理する)、本文全体の趣旨のなかでその文章を捉える、ということが必要です。

(1)(2)(3)を解くことで本文の内容がつかめているので、本文を貫くテーマや、何度も繰り返し強調されている内容などは、特に注意しながら精読しましょう

120字問題は大抵、本文の最後の方に傍線が引かれていますが、本文の最初の方の話題が関連している、というパターンが多いです。精読するときは、本文の最初の部分との関連性も意識してください。

演習=答案を作る

精読ができたら=論理的に読解できたら、最後にそれを回答にまとめます。この時、論理的に表現する訓練にあたるのが、演習です。

どういうことか問題

切り分けた傍線部と類似する内容を見つけたら、それをもとに傍線部を言い換えていきます。この時に大事なのは、傍線部の論理に沿ってまとめることです

傍線部でAだからBだ、という論理構造なら、言い換えもAダッシュだからBダッシュ、という形でないといけません。ここでBダッシュだからAダッシュなどと、傍線部と違う論理でまとめるとどういうことか?という問いにずれて答えているので大幅減点されてしまいます。

しっかりと傍線部の論理の型に合わせて回答してください。

なぜか問題

傍線部に関連する因果関係を整理できたら、「因」の部分を回答します。因果関係に複数の段階があったら、その順番を守ってください

例えば、AだからBだからCだ、という因果の順番だったら、回答にもA→B→Cという因果関係を明記しないといけません。これが、論理的な表現です。

なお、「Bとあるがなぜそう言えるか?」という問題が多いと思いますが、回答では「〇〇だからB」と、傍線部の部分を繰り返す必要はありません。「〇〇だから」で十分です。そんなことをするより、その分多くの回答要素を入れるべきです。

120字問題

本文全体を精読して見つけた類似内容や因果関係を整理してください。このとき、本文全体を貫くテーマや、繰り返し強調されている内容については、注意を払ってください。そういう内容が回答に一切ない、という場合は、見直す必要がある可能性があります。

なお、120字問題は配点予想が13点と、配点が高くなっています。なので、120字問題を空欄にする=0点、ということは非常に痛いです。120字問題はなんとしても完成させることを戦略としてオススメします

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オススメの参考書

林修先生の授業(東大特進)

いきなり参考書ではないですが、東大特進の林修先生の授業は非常にオススメです。今や売れっ子芸能人の林先生ですが、授業のレベルははっきり言ってめちゃくちゃ高いです

もう十分な実力がある、という理由で高3の夏に受験勉強終了を宣言して、余裕で東大に進んだ林先生ですが、その授業は1度受けただけで実力がグンと上がる、といった感じです。

内容としては過去問を深く演習する、といったもので、いかに東大現代文が奥深いかを実感できると思います。

東大特進は特待生制度が充実していて、授業料が免除になることも多いです。なおかつ映像授業もあるので、地方の受験生でも受講できると思います。一度チェックしてみてもいいのではないでしょうか。(東大特進公式ページ

ポケット予備校の解説記事

当サイト、ポケット予備校の過去問解説記事です。解答例と解説をのせています。

精読→演習というこの記事で解説した解き方で解いているので、これらの記事を見ながら、論理的な解き方を身につける、というのも良いと思います。

「現代文どうしたらいいか分からないけど、いきなり塾に申し込むのもおっくう」という方は、まず僕たちの解説記事を見てから判断しても遅くないと思います。

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漢字練習帳

東大現代文で忘れがちな漢字問題ですが、実は配点では10%程度あると考えられます。(3点or6点/40点)

1点を争う東大入試ですから、早い時期から漢字対策もやるに越したことはないです。漢字の参考書はどれも同じような作り、収録数ですので、デザインなどで自分の気に入った参考書を選んで勉強するのがいいと思います。

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まとめ

さて、今回は東大現代文について解説してきました。

まとめるとこんな感じです。

  • 論理的読解力と表現力がとても重視される
  • 問題は3パターンあり、それぞれに対策の仕方がある
  • 過去問を使った精読と演習が1番の勉強法
  • 林先生の授業がオススメ(僕たちの記事もオススメ)
  • 早い時期から漢字もやっておこう

論理的な考え方を身につけて、受験本番にのぞみましょう!

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