みなさんこんにちは ポケット予備校です!
みなさん、現代文の勉強、けっこう悩んでませんか?
「いつもなんとなくで解いてる」
「現代文はどうやって勉強したらいいかわからない」
「現代文なんて勉強しても変わんないよ😭」
今回はそんな現代文について、現役東大生である編集者の私が、読み方から勉強法まで詳しく解説していきます!
現代文の勉強法・3ステップ
まず、現代文には、しっかりとした勉強のルートがあります。
ズバリいいましょう、現代文の正しい勉強の流れは、次の3ステップです!
それは
- 読み方のルールをマスターする
- 解き方のルールをマスターする
- 問題を使って解く
の3ステップです。
これにそって勉強するのが1番の方法だと思います。3ステップを順番にやっていくことで、現代文の力が大きく上がるでしょう。
自信を持ってオススメする勉強法です!
1 読み方のルールをマスターする
1つ目のステップは、正しい読み方を身につけることです。
「日本語の文章くらい読めてますよ」
と思う人もいるでしょう。もちろんそれはそうでしょう。でも実は、現代文には、現代文の読み方のルールがあるんです。
こちらの記事で、林先生はこのように述べています。
『人間の思考は「類比」「対比」「因果」の3つの作業を中心に展開します。』
林修氏
出典:予備校講師・林修が明かす勝者の発想と成功哲学 NEWSPICKS
そして、これこそ現代文の読み方のルールです。
つまり、
- 類比
- 対比
- 因果
です。文章は基本的に、この3つで構成されています。この3つをつかめると、問題文を読んだときに、内容がとてもハッキリとつかめるようになります。
それでは、1つずつ解説していきます。
類比
1つ目は類似です。
類似とは、似ている、ということです。
現代文では、同じ内容を違う言い方で表現している、ということがよくあります。これを類似した表現と言います。
筆者は自分の主張を読む人に分かってもらうために文章を書きます。そこで筆者は、自分の主張を、1回だけでなく何度も違う言い方で伝えようとします。いろんな言い方をして何度も繰り返し伝えた方が、読む人に分かってもらいやすいからですね。
小説でもこれは同じで、登場人物の心情などを違う言い方で何回も書く、ということがよくあります。
つまり、文章には、同じような内容が何回も言葉を変えて出てくるのです!
こういう表現をしっかりと見つけて内容をつかむことが正しく読む力の1つです。
特に、筆者の主張や登場人物の心情の類似表現には注意しましょう。これをつかめると、「どういうことか?」という現代文の典型問題を解く時に非常に役に立ちます。
現代文での典型問題については、次のみだしで解説しています。
対比
2つ目は対比です。
対比とは、反対・異なる、ということです。
あることを読む人に伝えようとするとき、反対のことや違う内容のことで比較して(対比して)伝えると、とても伝わりやすいです。
例えば、
「のび太のおこづかいは500円で、とても少ない」
と筆者が主張しても、小学生で500円って少ないの?と思う人もいるでしょう。
そこで、
「スネ夫はおこづかいを1万円ももらっている。のび太は500円で、とても少ない」
と、おこづかいの少ないのび太と、反対におこづかいの多いスネ夫を比べることで、あ、確かにのび太は少ないね、と読む人は納得するわけです。
このように、あることを伝えようとして、反対のことや違うことを比べて説明することで読む人に分かってもらおう、ということは現代文でたくさんあります。
対比で大事なことは2つです。それは
- 対比から筆者の意見・登場人物の心情を読み取ること
- 筆者の意見・登場人物の心情と対比の内容をごちゃ混ぜにしない
です。
対比とは何かをもう1度、説明すると、筆者の伝えたい意見や登場人物の心情の反対の内容や違う内容です。なので、対比を見つけたら、そこから反対に、筆者が本当に伝いたい意見(主張)や登場人物の本当の心情を見つけられるわけです。
さっきの例で言うと、「対比しているスネ夫のおこづかいが多いってことは、反対にのび太のおこづかいは少ないって筆者は言いたいんだな」と、対比から筆者の主張を読み取ることができます。
ここで注意しないといけないことは、対比の内容と筆者の意見や登場人物の心情をごちゃ混ぜにしてはいけない、ということです。
さっきの例で言うと、筆者が言いたいことは、「のび太のおこづかいは少ない」なのに、その対比である「スネ夫のおこづかいは多い」という内容を筆者の言いたいことだと思ってしまう、みたいなことです。
これをしてしまうと、文章の内容を全く逆に読んでしまい、試験で点を落としてしまいます。
こうした注意点に気をつけながら、対比をつかんでいきます。
因果
3つ目は因果関係です。
因果関係とは、原因と結果の関係です。言い換えれば理由と結果ですね。
Aが原因で(理由で)、Bという結果になった、ということです。
「昨日は部活を遅くまでやったから、勉強できなかった」
みたいな感じで、日頃からよく使うものです。因果関係、といわれると堅苦しいですが、日常的なものです。
因果関係で大事なのは次の2つです。
- 因果関係を逆にしない
- 複数の因果関係をごちゃ混ぜにしない
因果関係を逆にしない、というのは、さっきの例で言うと、
「勉強できなかったから、部活を遅くまでやった」
と間違えてはいけない、ということです。
Aが原因でBが結果、と本文に書いてあったら、これを間違ってB=原因 A=結果としてはいけません。これをすると文章を全く読めていない、と思われて大きく減点されます。
また、因果関係はいくつもつながっている場合があります。例えば
「もうすぐ全国大会だ、だから昨日は部活を遅くまでやった、だから勉強できなかった」
と言った感じです。こういう場合は、つながっている因果関係の順番をごちゃ混ぜにしないで読み取るようにしましょう。
実際の試験では、AだからB、といった単純な問題より、AだからBだからCだから・・・といったもっと複雑な因果関係が問われることが多いです。なので、それにしっかりと対応するためにも、複数の因果関係をしっかりとらえる読み方をしましょう。
この読み方で、現代文のもう1つの典型問題である「なぜか?」問題がしっかりと解けるようになります。
さて、振り返ると、「類比」「対比」「因果」の3つが現代文の読み方のルールでした。次の見出しで説明しますが、現代文には典型問題というのがあり、共通テストや2次試験でもその問題が頻出です。
そしてその典型問題を解くために、この読み方のルールは不可欠です。なので、まずはこのルールをしっかりと頭に入れましょう。
それでは、次に解き方のルールを解説します。
2 解き方のルールをマスターする
2つ目のステップは解き方のルールをマスターすることです。
現代文には解き方のルールがあります。
みなさんが「現代文はどうやって解いたらいいか分かんない、結局センスでしょ」と思うのも、実はこの解き方のルールを知らないからです。ルールを知れば「どうやればいいか分かんない」なんてことはなくなるでしょう。
ではさっそく、ルールを説明していきます。解き方のルールは次の2つです。
- 現代文の2つの鉄則を守ること
- 3つの問題パターンを知ること
問題を解く時はこの2つのことを守って解くと、非常にスムーズに正確に解くことができますよ。それでは1つずつ説明します。
現代文の2つの鉄則
現代文の問題を解くときには、守るべき2つの大事な原則があります。
それが
- 本文の内容で答える
- 本文の論理に合わせて答える
の2つです。1つ1つ解説します。
本文の内容で答える
まずこれを守ることが大事です。本文に書いてある内容で回答してください。現代文とは、本文の内容がちゃんと読めているかな?ということを問う科目です。なので現代文では、筆者の言うことは絶対です。
ここで1つ例を出して説明します。あなたが、太ったおっさんが書いた文章を読んでいるとします。その文章で筆者が
「私の考えでは、吉沢亮より俺の方がよっぽどカッコいい」
と言うなら、
「太ったおっさんの筆者は吉沢亮よりよっぽどカッコいい」
のです。
ここでもし、問題として
問題「太ったおっさんの筆者と吉沢亮ではどちらがカッコいいか」
という問題が出たら、
「筆者」
と答えなければなりません。なぜなら本文にそう書いてあるからです。ここで
「どう考えても吉沢亮でしょww」
などと書いてはいけません。本文の内容と違うからです。リアルの世界では100点満点の答えですが、試験では0点です。(厳しいですね)
勘違いしている人がとても多いのですが、現代文は「正しい意見を書く」試験ではありません。「本文の内容を正しく読み取って書く」試験です。本文の内容だけで答えないといけません。
少しギャグ的になりましたが、本文の内容で答える、というのはとても大事なルールです。現代文はあなたの意見を表現する場ではありません。私は文章が読めていますよ、ということを示す場所なので、本文の内容で答えないといけません。
これは言い換えると、本文に書いてないことを回答するのは、原則的にタブーです。数ある現代文のNGの中でも、ずば抜けてNGです。
もう1つだけ、例を出して説明します。
こういう問題があったとしましょう。
本文:「のび太は風邪をひいたので学校を休んだ」
問題:「のび太はどうして学校を休んだのですか?」
という問題があったときに、もちろん答えは
正解:「風邪をひいたから」
ですね?でも、もしここで、
「しずかちゃんとディズニーにデートに行っていたから!」
と答えるともちろん×ですね。では、どうして×なのでしょう?
「のび太がしずかちゃんとデートなんか行けるわけないじゃんww」
という話ではありません。
×なのはもちろん、本文にそんなこと書いてないから、ですね。本文に書いてないことは答えない、というのはこういうことです。
この例はすごく簡単な例ですが、試験での現代文はもっと難しい文章が出ます。そういう難しい文章が出ても、本文に書いてないことは答えてはいけない、という原則は変わりません。
※自分の意見を書きなさい、のような問題が出た場合は、本文の内容と違っても自分の意見を書いて構いません。
本文の論理に合わせて答える
これは、つまりは類似・対比・因果をしっかりと捉えて、それを本文で書かれている関係のまま回答で書くことです。
例えば、類似と対比をごちゃ混ぜにして回答したり、因果関係を間違って回答すると、これもまた減点になります。
例えば、
「コナンくんと服部平次は優秀だけど、小五郎のおっちゃんはポンコツだ」
という文章があったら、コナンと服部平次が類似で、小五郎のおっちゃんが対比されていますね。
ここで、
「コナンも服部平次も小五郎のおっちゃんもみんな優秀だ」
のように、類似と対比をごちゃ混ぜにすると、不正解になってしまいます。本文の論理とズレているからですね。
この2つが現代文を解く時の2つの鉄則です。どちらもとても重要なので、しっかりと頭に入れてください。
3つの問題パターンを知る
現代文はいろんな問題が出題されているように見えて、実は3タイプの典型問題かそのアレンジであることが多いんです。
その3パターンの典型問題とは、
- 「どういうことか?」問題
- 「なぜか?」問題
- 表現効果問題
の3つです。1つ1つ、解き方を解説していきます。(これに加えて漢字や文学史の問題もありますが、それらは知識問題ですので省略します。)
「どういうことか?」問題とその解き方
「どういうことか?」問題とは、わかりやすい例で言えば、Aという部分に傍線部が引いてあって、
問題:「Aとはどういうことか?」
というような問題です。
これは問題の聞き方がいろいろあって、「Aを説明せよ」「Aを分かりやすく言い換えよ」・・・など問題の言い方はいろいろです。
この「どういうことか?」問題にはしっかりとした答え方の型があります。
それはズバリ!類似の整理です。
どういうことか?問題はつまり、傍線部を言い換えてね、という問題です。傍線部や問われている内容の類似表現を本文から探して、整理すればそれが答えです。これはマーク式でも記述式でも同じです。
「なぜか?」問題とその型
「なぜか?」問題は、例えば
問題「Aはなぜか?」
というような問題です。
「なぜか?」問題にもいろいろな聞き方があって、「Aはどうしてか?」「Aの理由を説明せよ」・・・など問題の表現はいろいろです。
この「なぜか?」問題にもしっかりとした答え方の型があります。
それはズバリ!因果関係の整理です。
なぜか?とはつまり原因・理由はなんですか?という問題です。本文から因果関係を見つけて整理すればそれが答えです。これも、マーク式でも記述式でも同じです。
ここまで読んであることに気づきませんか?
そうです、最初の見出しの、読み方のルールを守って読んだら、その時点でほとんど答え出てるじゃん!ということです!
そうなんです、現代文では、正しく読めた時点でほとんど答えは出ているのです。マーク式ではそれを整理するだけでOKですし、記述式でもその整理したものを書き上げればOKです。
もちろんだからと言って簡単な作業ではありませんが、現代文とはこれだけ型が決まった科目なんです。正しい方向に対策していけばどんどん正解率も得点もあがりますよ。
表現効果問題
これはセンター試験での典型問題で、共通テストでも問われる可能性が高い問題です。具体的には大問1、大問2の最後の方にあった問題で、例えば、
問題「56行目の〇〇という表現は、登場人物の驚きを強調する効果がある」
のような問題です。
この表現効果問題は、まず選択肢を見て、
- 本文にその表現があるか?
- その表現は本当にその効果があるか?
の順にチェックして解きます。他の問題に比べて絞りにくいことも多いので、たくさん対策した方が良いでしょう。
3 読み方・解き方を実践する(日々の勉強)
そして、実際に日々の勉強でやるのがこのステップ3です。
使うべき教材はズバリ、過去問とプレテストです。共通テストはほとんどの受験生が受けると思うので、プレテストは必ず解いておいた方が良いです。過去問をオススメする理由は、受ける試験の傾向に一番近いからです。
現代文では量より質が大事なので、たくさん問題集を解くより、1つ1つをしっかりと解いていくことが効果的です。
これらの問題を使いながら、まずは本文を3つのルールに従って読んでいきます。この時、マーカーや印付けなどをして、こことここは類比、こことここは因果、といったように分かりやすく構造化してみてもいいでしょう。
全文をやるとしんどいので、問題に関連するところだけでOKです。
これができたら、次はそれをもとに問題を解いていきます。この時、自分の解いている問題は、3つのパターンのどれにあたるかな、と考え、それぞれに対して、この記事で紹介した解き方を実行しましょう。
解き終えたら答えを確認して、自分の考え方があっていたのかをチェックしてください。なかでも、論理関係(類比・対比・因果)を間違えなかったか、タブーはなかったか、などを特に注意してください。
この勉強法を繰り返すことで、解くスピードも速くなり、正確さも上がっていくはずです!
新テスト・2次試験でもその勉強法でいいの?
新テストは、来年が初めてということもあって、なかなか断言しづらいですが、プレテストや最後のセンター過去問(共通テストの傾向で作られたと言われています)を見る限り、この方法で通用すると考えています。
プレテストでは、どういうことか?系の問題となぜか?系の問題がたくさん出題されました。この記事で解説した解き方を身につけて損はないと思います。
2次試験については、十分役に立つと思います。特に旧帝大+3と言われる有名大では、この「どういうことか?」問題と「なぜか?」問題がほとんどです(東大にいたってはこの2タイプの問題しか出ません)。この方向での勉強がとても大事です。
こうして考えると、やはり来年からも、正しい読み方&正しい解き方を身に付けることは現代文の対策としてとても重要だと思います。
まとめ
さて、今回は現代文の勉強法について解説してきました。
まとめると次の通りです。
- 現代文とは本文が読めているかを測る試験
- 類比、対比、因果に注目して読もう
- 本文の内容と論理で答えること
- 現代文の典型問題は3つのパターンでそれぞれに解き方がある
- 日々の勉強ではその読み方と解き方を演習する
やり方がない、センスだ、と思っていな現代文も、実は決まったやり方があります。そのルールに従って勉強することで、現代文の力がグッと伸びるはずです!ぜひ、この記事を参考にしながら勉強してみてください!
東大現代文についてはこちらの記事で解説しているので、気になった方はご覧ください。
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