【古文】1からでも実力を伸ばせる古文の勉強法を東大生が徹底解説

みなさんこんにちは 、ポケット予備校です!

「古文が読めない・・・」
「どうしたらいいの?」

そんな悩みを抱えている人も多いでしょう。

そこで、この記事では、現役東大生の僕が古文の勉強法について解説します!

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古文の勉強法

古文は外国語の勉強と同じで、まずは単語や文法といった基礎事項を暗記することから始まります。それをもとに問題演習を行うという流れになります。ではそれぞれについて詳しく見ていきましょう!

基本事項の暗記(文法)

古文で最初に抑えるべきなのはなんといっても文法です。古文は今の日本語とは 大きく異なる、いわば外国語です。その外国語を知るためには、まず文法を理解する必要があるのは明白ですよね。

動詞や形容詞がどのように活用するのか、助動詞や助詞が他の単語とどのように接続するのか、などは古文文法の中でも特に重要です。

「そんなに厳密に文法を勉強しないとダメなの?」

「ざっくり文章の意味が分かればよくないの?」

と思われる方もいるかもしれません。しかし、文法をしっかり押さえないと、文章読解で読みがぶれる原因になることもあります

簡単な例を見ましょう。皆さんは①「あらぬ」と②「ありぬ」の違いを文法的に説明できるでしょうか。

まず、ラ行変格活用の動詞「あり」が「あら・あり・あり・ある・あれ・あれ」と活用することを思い出しましょう。「あら」はラ行変格活用の動詞「あり」の未然形、「あり」はラ行変格活用の動詞「あり」の連用形または終止形ですね。

すると①「あらぬ」の「ぬ」は未然形に接続する助動詞、つまり打消の助動詞「ず」の連体形です。

一方②「ありぬ」の「ぬ」は連用形に接続する助動詞、つまり完了の助動詞「ぬ」の終止形です。以上から、 ①「あらぬ」は「ない」、②「ありぬ」は「あった」という意の語だとわかります。一文字変わっただけでこんなにも文章の意味が変わってしまうのですね。

以上の例は古文では典型的なもので、文法をきっちりと抑えている人にとってはわかって当たり前ですが、漠然と文法を勉強してきた人にとっては難しいようです。

文法は、古文の読解力をも左右するので、軽視してはならないのです。また、センター試験でも直接文法の知識を当問題が毎年一問必ず出題されているので、対策を怠らないようにしましょう。

基本事項の暗記(古文単語)

文法の次に抑えるべきものは古文単語でしょう。基本的には古文単語帳を用いて古文単語を暗記することになります。様々な古文単語帳が発売されているので、自分の性に合ったものを使って頂いて構いません。

ただし、個人的には例文が充実した単語集を勧めます。私は文章の中で単語を理解して単語を暗記していく勉強スタイルだったので…。

ここで、単語暗記に際して注意すべき単語について説明したいと思います。

それは、古文と現在の日本語とで意味が違う単語、いわゆる「古今異義語」です。

例えば、「おこたる」という言葉が古文にはあります。現在では「おこたる」は 「怠ける、サボる」といった意味で理解されますが、古文で出てくる「おこたる」の第一義は「(病気が)治る」という意味です。

同じように、古文の「やがて」は「すぐに」という意味、「ののしる」は「大声で騒ぐ」という意味になります。

このような古今異義語を現代語と同じように訳してしまうと、とんでもない誤訳をしたり文章の読みがブレる原因になってしまうので、古今異義語には注意する必要があります。

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基本事項の暗記(敬語)

次に、敬語です。尊敬語、謙譲語、丁寧語にどのようなものがあるかざっと把握しておきましょう。

尊敬語」は、動作の主体に対する敬意を表したり、高貴な人への敬意を示す敬語です。

例:(光源氏は)さすがに置きがたう見たまふものから、(源氏物語・葵)

この例文では、「見る」という動作を行う主体である光源氏に敬意を示すため、「見」という動詞の後ろに「たまふ」という補助動詞をつけています。

謙譲語」は、自らの存在や動作を下に見做すことで、高貴な人の存在や動作の受け手の存在に敬意を示す敬語です。

例:俊寛僧都、(平判官に)「さてそれをばいかが仕らむずる」と申されければ、(平家物語)

この例文では、「言う」という動作の受け手である平判官に敬意を示すために、「言ふ」の謙譲語である「申す」を使っています。

丁寧語」は、文章の聞き手や発言の聞き手に敬意を示す敬語です。

例:簾を引き上げて、「いとおもしろきかは虫こそさぶらへ」と(童が姫君に) いへば、(堤中納言物語・虫めづる姫君)

この例文では、発言の主である童が発言の聞き手である姫君に敬意を示すために、「あり」の丁寧語である「さぶらふ」を使っています。

実は、敬語を理解しておくことで文章読解にとても役立つことがあります。例をあげましょう。

例:例に変われり、など道々の人々も奏し申し侍りき。(源家長日記)

さて、上の例文の「奏し」は「言ふ」の尊敬語の「奏す」です。では、この「奏し」は誰への敬意を表しているでしょうか。もちろん、前後の文脈を注意深く読んで「言ふ」という動作の受け手がわかれば、その人物が経緯の対象ということになります。しかし、前後の文脈が分からなくても、敬語をしっかりと勉強している人は敬意の対象がわかるのです。

実は、「奏す」という尊敬語は、敬意の対象が天皇もしくは上皇である場合にのみ使われるものなのです。同じく「言ふ」の尊敬語である「のたまふ」が幅広く高貴な人物に対して用いられるのとは好対照です。

このように、敬意の対象となる人物が限定される敬語を「絶対敬語」と言います。絶対敬語には他にも、「言ふ」の尊敬語であり、中宮や皇太子に対してのみ使うことができる「啓す」があります。

敬語は、古文の学習における重要論点の一つです。敬語が出現したときに、その敬語が誰から誰への敬意を表したものであるか分からなければ、文章の読みがブレる原因にもなりかねません。逆に敬語をきちんと学習していれば、文章の場面把握にも役立つことが多々あるので、敬語の学習は怠らないようにしましょう。

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問題演習(記述編)

文法と単語の理解が終わったら、いよいよ問題演習を行います。

問題を解く際の答え方は、現代文の問題を解く際と同様です。問題文で問われているものは何かをしっかりと把握して答える必要があります。

さて、ここまで述べてきたように文法や単語の基本を抑えていても、いざ実践的な記述問題を解くとなるとなかなか点数が伸びない、という方もいるかもしれません。そんな方のために、古文の点数を伸ばすのに役立つちょっとしたコツをいくつか伝授しましょう。

一文一文の主語を意識する

古文では、文章の主語が明示されず省略されていることが多いです。ですから、 各文での主語が誰であるのか考えずいい加減に古文を読んでいると、気づけば何がどうなっているのか分からない、なんてことにもなりかねません。

文章を読み進めていく際には、一文一文誰が主語であるのかをしっかりと確認してください。

僕は、主語が書かれていない文章を見つけたら逐一主語が誰であるかを考えて近くにメモしておくのを習慣にしていました。そうすることで、あとで文章を見直す際にもすぐに文章の主語が誰であるか一目瞭然にすることができました。

人物関係を整理する

物語や日記文では、しばしば多くの人物が登場することがあります。彼らの人物関係を整理していないと、読み進めているうちに「この人誰だっけ…」なんてことにもなりかねません。

ですから、誰と誰が親子か、誰と誰が兄弟か、誰と誰が仲良しなのか、誰と誰が敵対しているのかなどがわかりやすい人物関係図を書いて、その登場人物が誰であるのかすぐわかるようにしましょう。

リード文、注釈にも気を配る

大問の冒頭におかれるリード文や、古文文中に付けられた注釈には、文章を読解する上で重要な背景、前提となる情報が含まれていることがあります。問題を解く際のヒントとなることもあるので、注意しましょう。

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【発展】古文常識・古文出典

さて、これまでに述べてきた勉強法を実践すれば大きく実力を伸ばすことができると思いますが、古文を勉強する時にはさらなる裏技があります。それが「古文常識」「古文出典」の把握です。それぞれ見ていきましょう。

古文常識

まず、古文常識とは古文の世界における常識・習慣のことです。古文の主な舞台である平安時代と現在とでは、約1000年の時間差があるわけですから、当然平安時代と現在とでは常識も人々の習慣もかなり異なります

このことが理解できていないと、文章の意味がわからなくなったり、文章の読みがぶれてしまったりしてしまうわけです。

例えば、古文の文章の中ではよく「宿世」という言葉が出現します。現在では聴き慣れない言葉ですが、古文常識を一通り抑えている人はその意味がすぐわかります。

実は、平安時代には「人の現世の出来事は、その人の前世の行いによって予め生まれる前から決定された、『運命』なのだ」、という考え方があったのです。このような前世からの繋がりのことを「宿世」と呼ぶのです(入試では、「宿世」の読み方「すくせ」を問う問題も頻出)。

このように、古文常識をある程度理解していれば、文章の途中で詰まることも少なくスラスラと文章を読めることが多くお得なので、ぜひ余裕のある皆さんには古文常識を勉強していただきたいです。

古文出典

次に、古文出典の把握とは、入試で頻出の古文作品の内容を予め把握しておいてしまう、ということです。

そもそも、大学入試でよく出る文学作品は限られています。『源氏物語』や『徒然草』、『伊勢物語』などは特に入試で頻出です。

『源氏物語』や『大鏡』、『竹取物語』などの「一続きの物語」や、『更級日記』や『蜻蛉日記』、『土佐日記』などの「日記もの」は、予め登場人物の関係やあらすじなどを理解しておけば、ある程度の予備知識となるので文章を読むのがだいぶ楽になります

特に『源氏物語』は「古文の王道」として名高く、毎年のようにどこかの大学の入試問題で必ず出題される作品ですから、『源氏物語』は時間をかけて全て読んでしまっても決して損ではありません。 とはいえ、『源氏物語』は全54帖からなる長編物語ですから、「原文で読むのはちょっと…」という方もおられるかもしれません。そんな方におすすめなのが 『あさきゆめみし』です。

『あさきゆめみし』は大和和紀先生作の漫画作品です。漫画なので面白く読むことができ、かつ作品内の出来事や人物関係をざっくりと把握することが可能です。実際私も受験期には『あさきゆめみし』を読んで源氏物語の知識を蓄えていましたよ。

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おすすめ参考書

富井の古典文法をはじめからていねいに

どんな参考書?

古文文法の基礎の基礎をわかりやすく解説した入門本

おすすめポイント

・語りかけるような講義形式の文体で文法の基礎を学べる

この参考書は、古文の文法の基礎事項を漏れなく学べる入門書です。文体も講義形式で、わかりやすい説明となっているので、初学者でも古文文法の基礎をスラスラ理解できます。

どんな人におすすめ?

古文の初学者

読んで見て覚える重要古文単語315

どんな参考書?

イラスト付きで、古文単語を覚えられる古文単語帳

おすすめポイント

・イラスト付きで、単語を視覚的に覚えられる

各単語にはその単語の意味に関するイラストが一緒に掲載されており、視覚的に単語を暗記することが可能です。

・単語の周辺知識が詳しく掲載されている

古文単語には、ことばが意味と一対一対応しておらず、第二義や第三義が非常に重要な意味である場合があります。また、一つの単語から派生して、様々な言葉が生まれることもよくあります。この単語帳では、古文単語の複数の意味、そして派生語を一緒に掲載しているので、単語を多面的に暗記することが可能となっています。

どんな人におすすめ?

古文の初学者~中級者

古文上達 基礎編 読解と演習45

どんな参考書?

読解初心者が文法の知識や読解の技術を高めるのに最適な問題集

おすすめポイント

・文法知識を実際の読解で活かす練習

古文知識や単語がある程度インプットできたら、実際の問題演習に移ります。この問題集では、実際の古文の文章の中で文法の知識を駆使して読解を行っていくテクニックを学ぶことができます。難易度は低めなので、古文の初学者におすすめです。

どんな人におすすめ?

古文の初学者

古文上達 読解と演習56

どんな参考書?

古文の読解能力を高める実戦問題集

おすすめポイント

・文法知識を実際の読解で活かす練習

この問題集では、実際の古文の文章の中で文法の知識を駆使して読解を行っていくテクニックを学ぶことができます。先ほど紹介した『古文上達 基礎編 読解と演習45』と同じシリーズ本ですが、より難易度が高くなっているので、ある程度文法、読解の基礎が固まった人が実戦的な問題を解く練習として最適です。

どんな人におすすめ?

古文の中級者

得点奪取 古文

どんな参考書?

古文の良質な記述問題を集めた問題集

おすすめポイント

・古文記述問題の解き方の基礎が学べる

この参考書は「典型問題編」と「練習問題編」の二つの章から構成されています。「典型問題編」では問題の問い方別に記述の解答方法を学び、それを「練習問題編」で実際に実践する、という形になっています。ですから、この参考書一冊で記述問題の実力を大きく伸ばすことができます。

どんな人におすすめ?

記述問題の得点を伸ばしたい、国公立大志望者

マドンナ古文常識217

どんな参考書?

古文常識はこれ一冊で十分

おすすめポイント

前述したとおり、古文常識を理解することで古文の読解力も向上します。この参考書は古文常識の参考書の決定版で、詳しい解説や豊富なイラストで非常にわかりやすいことが特徴です。

どんな人におすすめ?

全ての古文学習者

まとめ

さて、今回は古文の勉強法を紹介しました。まとめると次の通りです。

  • 文法、単語、敬語をしっかりマスターしよう
  • それができたら問題演習に進もう
  • 古文常識、出典まで勉強できればとてもよい

ぜひこの記事で紹介された勉強法を実践して、実力を伸ばしていきましょう!

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